FOMCの「ドット・チャート」(米国)
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米連邦準備制度理事会(FRB)は毎年3、6、9、12月に、米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーによる米国経済と政策金利の見通しを公表しています。政策金利の見通しは「ドット・チャート」と呼ばれており、メンバーが適切と考えるフェデラルファンド(FF)金利誘導目標の水準を“点(ドット)”の分布で示しています。現在、2016年末、2017年末、2018年末、長期の4期間の見通しが確認できます。 |
【ポイント1】「ドット・チャート」は政策を伝える主要な方法にあらず
ただ市場はそれを参考に金融政策を予想する
■FRBは「ドット・チャート」について、政策を対外的に伝える主要な方法ではないとしており、政策意図を示す基本手段はFOMC声明であるとの認識を示しています。それでもこのような見通しが公表される以上、市場はそれを参考に金融政策を予想します。具体的にはドット分布の中央値から年何回の利上げが行われるかを推測することになります。
【ポイント2】3月はドットが低下
年内利上げ示唆は2回に減少
■2015年12月16日公表の「ドット・チャート」では、2016年末のドット分布の中央値は1.375%でした。2015年末のFF金利水準は0.375%でしたので、その差は1.00%です。これを受けて市場は、FOMCが2016年に0.25%の4回の利上げを考えていると解釈しました。
■3月16日公表の「ドット・チャート」は、2016年末の中央値が0.875%へ低下し、2015年末との差は0.50%に縮小しました。市場はFOMCが2016年の利上げを2回に減らすと解釈し、米長期金利低下、米ドル安、米株高で反応しました。
【今後の展開】利上げに関するメンバーの見通しと市場の織り込みの行方
■市場が織り込む利上げペースはより緩やか
足元のFF金利先物市場は、2016年の利上げはあっても1回程度と見込んでいます。つまり市場が織り込む利上げのペースは、FOMCメンバーの見通しに比べ、より緩やかなものということになります。
■米国物価と金融市場の動向に注目
今後の注目点は米国物価と金融市場の動向です。物価上昇・市場安定なら、市場が織り込む利上げペースは上方修正され、物価低迷・市場不安定なら、メンバーの見通しが下方修正されると思われます。
(2016年3月23日)
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