日銀の金融政策(2016年3月)~「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の維持を決定~

日銀の金融政策(2016年3月)~「マイナス金利付き量的・質的金融緩和」の維持を決定~

【ポイント1】金融政策は現状維持

先行きの見方も維持
■日銀は、14日~15日の金融政策決定会合で、現行の金融政策の維持を決定しました。すなわち、①日本銀行当座預金の政策金利残高に▲0.1%のマイナス金利の適用、②マネタリーベースで年間80兆円相当のペースで増加させる金融市場調整、③長期国債や指数連動型上場投資信託(ETF)、不動産投資信託(J-REIT)の買入れ等、です。現行の金融政策を円滑に実施するために新たに実務的な対応も決定しました。

■景気の基調判断は、1月の展望レポートで示された見方よりも弱まりました。先行きに対しては緩やかな拡大との見方を維持し、物価についても「当面0%程度で推移するが、基調は着実に高まり、2%に向けて上昇率を高めてゆく」との見方を維持しました。

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【ポイント2】株価は下落

米ドル円レートは円高方向の反応
■15日の日経平均株価は、日銀の発表を受け下落、終値は前日比▲116.68円の17,117.07円でした。米ドル円レートも円高方向の動きとなり、日本時間の15日15時に113.42円となっています。

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【今後の展開】金融緩和期待が続く見通し

■黒田総裁は会見で、マイナス金利を導入した効果として、実質金利の低下が、企業や個人の経済行動にプラスの影響をもたらすことを期待する旨の発言がありました。実質金利の低下は企業や個人の借入負担を軽くし、資金需要にも働きかけるものであり、効果の見極めにはまだ時間がかかりそうです。

■足元の統計を見る限り、景気回復は足踏み状態です。賃金の上昇率が引き続き低いほか、今後は1-3月期の実質GDP成長率も弱めの数字となることが予想されます。景気の弱含みが続く可能性が高く、年央までに追加の緩和策を行う必要性が次第に高まると思われ、金融緩和期待が続く見通しです。

(2016年3月15日)

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