主要国のリート市場の最近の動向(2月)~アジア、オセアニア中心に底堅い推移~
主要国のリート市場の最近の動向(2月)~アジア、オセアニア中心に底堅い推移~
【ポイント1】現地通貨ベースではプラス
円ベースでは下落
■2月のグローバル・リート市場は、まちまちな動きとなりましたが、現地通貨ベースではグローバルで+1.1%の上昇でした。リート市場は、上旬は原油価格の下落や世界的な景気減速への警戒感から下落しましたが、月後半にかけては原油価格の反発、米国の株式市場の上昇を好感して上昇に転じました。
■為替は円が安全資産として選好されたことなどから、米ドル、ユーロをはじめ主要国の通貨が総じて対円で大きく下落しました。その結果、円ベースではグローバルで▲4.4%の下落となりました。
【ポイント2】アジア、オセアニアが上昇
北米は横這い、欧州は下落
■各地域を現地通貨ベースで見ると、アジア、オセアニアがそれぞれ+4.3%、+2.8%の上昇となり、北米は+0.2%でほぼ横這い、欧州は▲2.5%の下落となりました。
■アジアは日本のマイナス金利導入など、オセアニアは豪州の良好なファンダメンタルズを背景に上昇しました。欧州の下落は、金融機関の信用リスク懸念に加え、英国のEU離脱を問う国民投票の実施決定が投資家心理を冷やしたことなどが背景です。
【今後の展開】主要国での低金利がリート市場をサポートし底堅い展開へ
■3月に入り、原油価格や商品市場が落ち着きを取り戻しつつあることなどから、世界的に株式市場が上昇し、リート市場も好影響を受けています。米国の利上げペースが当初予想より緩やかになるとの見方が強まり、日本や欧州でも強力な金融緩和が続けられ、世界の国債利回りは低位で推移しそうです。
■中国の景気や原油価格をにらみ、引き続き神経質な展開が見込まれますが、低金利環境のもと、不動産市場は引き続き堅調が見込まれます。リート市場は、相対的に高い配当利回りが期待できるうえ、資金調達コストの抑制などの好環境が意識され、中期的に底堅い展開が期待されます。
(2016年3月11日)
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