日本の主要企業の業績見通し~円高、資源安の影響で下方修正だが最高益更新へ~
日本の主要企業の業績見通し~円高、資源安の影響で下方修正だが最高益更新へ~
【ポイント1】10-12月期は微減益
製造業の減速が目立つ
■主要企業216社(*)の10-12月期経常利益は、前年同期比▲0.3%の微減益となりました。内訳は製造業(135社)が同▲8.6%減益、非製造業 (81社)は同+18.7%増益と、製造業、とりわけ産業用電気機械、鉄、非鉄電線の不振が目立ちました。
■全体としては4‐6月期の+30.1%増益、7-9月期の+0.1%増益から減速傾向です。素材市況悪化、産業用電気機械のリストラ費用などが重荷となりました。
(*)三井住友アセットマネジメントが主に調査対象とする金融を除く企業。業種分類は三井住友アセットマネジメントによる。
【ポイント2】2015年度は下方修正
過去最高益は更新へ
■2015年度通期の経常利益は、資源や素材市況の下落の影響がありましたが、国内景気の緩やかな拡大、原油安、円安による採算改善などから+7.6%増益の見込みです。12月の前回見通しの+14.0%増益から下方修正となりました。ただし通期では過去最高利益を連続更新する見通しに変化はありません。
■下方修正は、資源価格の下落などから商社、資源・燃料、鉄、産業用電気機械(大手重電メーカーの構造改革費用)などの悪化が主因です。ASEANなどの需要減から自動車も下方修正となっています。
【今後の展開】2016年度は5.6%増益の見通し
■2016年度は+5.6%増益となる見通しです。12月時点予想の+7.3%増益からは下方修正です。前年度の減損やリストラ費用など一過性の要因の反動で産業用電気機械、商社などの増益が寄与する見込みです。3期連続で最高益を更新する見通しです。
■下方修正は、為替前提の変更(1ドル=120円から115円)と、工作機械やスマホ関連需要の低迷などが背景です。1ドル=5円の円高で全体として3%程度の減益要因となります。世界経済の緩やかな回復が進み、大幅な為替変動がなければ底堅い増益が続く見込みです。
(2016年3月8日)
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