トルコの金融政策(2016年2月)~政策金利の据え置きを継続~
トルコの金融政策(2016年2月)~政策金利の据え置きを継続~
【ポイント1】市場予想通り据え置き
金融引き締めスタンスを維持
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は23日、市場の大方の予想通り、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に、金利誘導レンジの上限を10.75%に、下限を7.25%に、それぞれ据え置くことを発表しました。
■中銀は、2014年1月に通貨防衛のため大幅に利上げして以降、利下げを限定的にとどめており、金融政策は引き締めスタンスにあるとしています。
【ポイント2】物価と景気の両方に配慮
中銀の政策に手詰まり感
■1月の消費者物価指数は前年同月比+9.58%と、前月の同+8.81%から大幅に上昇しました。野菜など食品価格を中心に物価上昇圧力が根強く、市場では物価高が当面続くと見られています。
■物価高と中銀の金融引き締めスタンスに加え、相次ぐテロによる観光客減少の影響も懸念され、景気は勢いを欠く状況が続くと見られます。物価高と景気減速の両方に配慮が必要な状況下、中銀は様子見姿勢を当面続けざるを得ないと思われます。
【今後の展開】リラは持ち直しの兆し
■中銀の政策手詰まり感や、中国の景気減速懸念、世界的な金融情勢の不安定化などは、トルコリラへの下押し圧力となっています。
■22日、隣国シリアを巡り米国とロシアがアサド政権と反体制派への停戦呼びかけに合意し、地政学リスクが和らぎました。リラは米ドルに対し持ち直し気味に推移しており、通貨安定で物価見通しが改善すれば、景気不透明感も後退すると期待されます。
(2016年2月24日)
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