英国は「EU残留」を問う国民投票へ(欧州)

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移民への福祉制限などを含むEU改革案が、EU首脳会議(18日~19日開催)で合意されたことを受け、英国のキャメロン首相は、「EU(欧州連合)残留」の是非を問う国民投票を6月23日に実施すると発表しました。同首相は「EU残留」が英国の利益につながるとして、国民に「EU残留」を働きかける考えです。一方、EU離脱への支持も根強く、国民投票を前に、経済や金融の不透明感が高まる可能性もありそうです。

【ポイント1】国民投票は6月23日実施へ

国民投票は6月23日実施へ
■キャメロン首相が率いる保守党は、昨年5月の総選挙でEU離脱を問う国民投票の実施を公約に掲げ、下院の単独過半数を獲得しました。

■公約の実現を迫られたキャメロン首相は昨年11月、具体的な改革をEUに要求し、これが支持されるならば「EU残留」を国民に働きかけるとしました。今回合意された改革案は英国の要求にある程度応えた内容となり、同首相は「EU残留」支持の方針を明確にし、「EU残留」を国民に働きかける考えを改めて示しました。

【ポイント2】移民への福祉を制限へ

ユーロ圏の規制は強制されず
■EU離脱が支持を集める背景は主に2つです。東欧など域内からの移民急増で英国籍労働者の雇用懸念が強まったこと、ユーロ不参加の英国がユーロ圏の金融危機に巻き込まれたことへの不満です。

■これらへの対応として今回の改革案には、最長4年間の域内からの移民への社会保障給付の制限や、ユーロ不参加国はユーロ圏の規制やルールが強制されない規定が盛り込まれました。

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【今後の展開】国民投票を前に、金融市場の変動の高まりに注意が必要

根強いEU離脱支持
2月上旬の世論調査では、「EU残留」支持が36%とEU離脱支持の45%を下回りました。また、一部の閣僚などは今回の改革案が不十分であるとしてEU離脱支持を表明したと報道されています。「EU残留」を国民に呼びかける同首相の道のりは険しそうです。

国民投票前に両派のかけひきは活発化へ
仮に英国がEU離脱を選択した場合、経済や金融市場へ幅広く影響が出ることが懸念されます。また、国民投票までまだ4カ月あり、その間、両派のかけひきや世論調査の結果に絡み、金融市場の変動が高まる可能性もあり、注意が必要と見られます。

(2016年2月24日)

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