主要国のリート市場の最近の動向(1月)~世界的な株安のなか、相対的に底堅い推移~
主要国のリート市場の最近の動向(1月)~世界的な株安のなか、相対的に底堅い推移~
【ポイント1】小幅マイナス
株価の下落に比べ安定的
■1月のグローバル・リート市場は、地域によってまちまちな動きとなりましたが、現地通貨ベースでは全体として若干のマイナスでした。主要国の株式市場が5%以上下落したのに比べ小幅にとどまりました。
■為替は、米ドル、ユーロが対円で上昇しましたが他通貨が下落、全体ではほぼ中立でした。その結果、円ベースでのリート市場は▲0.7%の下落となりました。
【ポイント2】アジア、オセアニアは上昇
北米、欧州は下落
■各地域を現地通貨ベースで見ると、アジア、オセアニアは上昇しましたが、北米、欧州が下落しました。リート市場は、中旬までは中国経済の減速懸念、原油価格の下落などから株式市場が下落し、その影響から軟調な推移となりました。下旬はECBのドラギ総裁が追加緩和の可能性を示唆したことから、リスク回避の動きが後退し、リート市場も持ち直しました。
■国別では英国、香港の下げが目立ちましたが、英国はEUからの離脱を巡る議論の活発化、香港は香港ドル安や長期国債利回りの上昇などが影響しました。逆にシンガポールはリートの決算で底堅い配当成長が好感され上昇しました。
【今後の展開】主要国での低金利がリート市場をサポート
■2月に入っても、中国の景気減速懸念や原油価格の下落などから、世界的に株式市場が下落し、リート市場も影響を受けています。ただし、米国の利上げペースは当初予想よりさらに緩やかになるとの見方が強まるなか、日本や欧州でも強力な金融緩和が続けられ、国債利回りは低位で安定しそうです。
■中国の景気や原油価格をにらみ、当面神経質な展開が見込まれますが、低金利環境のもと、不動産市場は引き続き堅調です。相対的に高い配当利回りが期待でき、賃料上昇や空室率低下による配当成長が見込まれるため、リート市場は、中期的に底堅い展開となることが期待されます。
(2016年2月9日)
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