最近の指標から見るインド経済(2016年1月)~景気は緩やかに加速~
最近の指標から見るインド経済(2016年1月)~景気は緩やかに加速~
【ポイント1】生産の基調は底堅く推移
これまでの利下げが景気を下支え
■15年11月の鉱工業生産指数は前年同月比▲3.2%とマイナスに転じました(前月は同+9.9%)。前年から祝日がずれたため振幅が大きくなりましたが、生産は底堅い基調が続いています。
■物価の落ち着きを背景にインド準備銀行(RBI、中央銀行)は15年1月から9月まで4回にわたり合計1.25%の利下げ(現在は6.75%)を実施しており、景気回復の主な下支え要因になっています。
【ポイント2】物価上昇率は緩やかに上昇
次回も政策金利据え置きの見込み
■15年12月の消費者物価指数は前年同月比+5.61%となりました。RBIは、食品価格の値上がりなどで上昇が続くものの、物価目標(16年1月、同+6%以下)を達成できると見ています。
■RBIは、15年12月の会合で政策金利を6.75%に据え置きました。RBIは、金融緩和姿勢をとりつつも、食品、原油、インドルピーなどの不安定な動きを警戒しています。物価上昇率は低位ながら緩やかに上昇しており、市場ではRBIが2月2日の次回会合でも政策金利を据え置くとの見方が大勢です。
【今後の展開】2月下旬からの「予算国会」に注目、財政面での景気下支えに期待
■2月下旬から5月にかけて、来年度(16年4月~17年3月)予算を審議する国会が開催される予定です。経済構造改革(モディノミクス)の目玉とされる物品・サービス税(GST)法案も審議される見込みであり、会期内の成立により経済成長が中長期的に引き上げられることが期待されます。
■また、予算案には国家公務員の給与等の総額が現状から2割以上の増加となる案が盛り込まれる見込みです。これが決定されると州や自治体も追随して物価押し上げ要因になると見られ、利下げ期待は後退すると思われます。一方、景気回復基調を確かなものとする要因として期待できそうです。
(2016年1月26日)
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