最近の指標から見る豪州経済(2016年1月)~家計部門を軸に景気は回復基調を維持~

最近の指標から見る豪州経済(2016年1月)~家計部門を軸に景気は回復基調を維持~

【ポイント1】労働市場は引き続き改善

企業の労働需要は拡大基調
■2015年12月の雇用者数は前月比0.1万人の減少となりました。過去2カ月が大幅増だった反動と見られます。月ごとの振れを均すために、政府公表のトレンド値を見ると12月は+2.7万人でした。前月の+3.1万人からは鈍化したものの、引き続き高い水準を維持しています。一方、失業率は5.76%となり、11月の5.84%から小幅ながら改善しました。

■企業景況感指数は、労働需要が拡大基調にあることを示唆しています。また、11月の小売売上高は前年同月比+4.3%と+4%台の伸びとなり、消費も底堅く推移しています。

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【ポイント2】物価は低位で安定

政策金利は当面、据え置き
■7-9月期の消費者物価指数は、前年同期比1.5%の上昇でした。豪州準備銀行(RBA)の物価目標である+2%~+3%の下限を引き続き下回っています。賃金上昇率や原油価格が低い水準にあるため、今後も安定的に推移する見込みです。

■RBAは、12月1日の会合で、政策金利を2.0%に据え置きました。7会合連続の据え置きです。物価が低位にあるため、利下げ余地はありますが、豪ドル安と労働市場の回復を踏まえると、過去最低の政策金利は当面据え置かれると予想されます。

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【今後の展開】家計部門を軸に景気は回復基調を維持する見込み

■昨年までの利下げ効果や雇用の改善などを背景に消費、住宅投資は今後も堅調に推移する見込みです。輸出、設備投資の低迷を消費と住宅で補い、景気は緩やかな回復を続けると予想されます。

■豪州経済が回復基調にあるため、中国経済をめぐる不透明感が払拭されるにつれ豪ドルの対円レートは徐々に安定化する見込みです。中長期では日豪金利差などから、底堅くなる見通しです。

(2016年1月15日) 

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