「リオ五輪」まで203日、準備は順調?(ブラジル)

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今年8月5日から21日まで17日間にわたり、リオデジャネイロでオリンピック(「リオ五輪」)が開催されます。これに合わせ、インフラ整備など27の公共投資が計画されています。市、州、政府が事業を分担し、総予算は246億レアル(約7,210億円)です。なかでも競技会場への交通網整備が目玉とされ、地下鉄路線の延伸、都市鉄道システム(LTV)や高速バスシステムの建設が、競技施設などと同時に進められています。

【ポイント1】交通網の整備に遅れ

財政収支の悪化や物価高などから、資金難に直面
■昨年7月、地下鉄工事について、州の監査でオリンピック開幕までの完成が難しいと指摘されました。12月には市当局から、政府からの資金拠出が滞っていることや物価の上昇などにより資金難に陥っており、工事への影響が懸念されるとの発言がありました。また、LTVの建設も、遅れが目立つとの報道が見られます。

■「リオ五輪」が決定された2009年当時、ブラジル景気は好調でしたが、その後低迷、税収不足から財政収支が悪化しています。補助金の削減を理由とした電気料金など公共料金の値上げは、物価高につながっています。こうした厳しい経済・財政事情から、「リオ五輪」の準備の遅れが懸念されています。

【ポイント2】競技施設の建設は進む

一部には遅れ
■昨年12月、スポーツ庁の鈴木長官がリオデジャネイロを訪問し、競技会場などを視察しました。ホッケー会場はメインスタンドの建設が未着手、ラグビー会場は更地のままだったとのことであり、一部で建設の遅れが目についた模様です。

■ただし、選手村は8割ほど完成しているとのことでした。また、現地の報道では競技施設は85%が完成済みとのことであり、概ね大会の実施には支障がなさそうです。

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【今後の展開】費用の節約、2月のカーニバル後の作業加速に期待

開催費用を節約し、準備を続行
現地の報道によると、資金難から選手村の個室へのエアコン設置が見送られる模様です。その他にも、設備や大会セレモニーの簡素化、プレ競技の縮小など本大会の開催に向けた費用の節約が伝えられています。

2月のカーニバル以降に作業加速との観測
現地では、2月のカーニバルが終われば、ブラジル人は取り組みを本格化させるといった、楽観的な記事が見られます。交通網整備の加速など「リオ五輪」の準備が進めば景気にもプラスになると期待されます。

(2016年1月15日)

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