2015年の振り返り(アジア・オセアニアリート市場)~米国の利上げ、中国の景気減速を乗り越え底堅い推移~

2015年の振り返り(アジア・オセアニアリート市場)

【ポイント1】全体として6%上昇

米利上げと中国経済を材料に上下
■2015年のアジア・オセアニアリート市場は、全体として前年末比+6.2%の上昇となりました(12月21日まで、現地通貨ベース)。グローバルリート指数の同+2.2%を上回るパフォーマンスとなりました。

■年明けは、欧州で金融緩和策が強化される期待が高まるなど、世界的に緩和的な金融環境が継続する見通しが強まり、アジア・オセアニアリート市場を下支えしました。年半ば以降は、米国の利上げ観測と中国の景気減速懸念などから世界同時株安となり、リート市場も下落しました。年後半は米国の利上げペースが緩やかになる見通しに加え、中国の政策期待の高まりからリスク回避の動きが後退、リート市場も上昇しました。

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【ポイント2】オーストラリアがけん引

商業施設リートが好調
■国・地域別には、金融緩和期待が残るオーストラリアが同+12.5%と全体をけん引しました。香港はほぼ横ばい、シンガポールは同▲6.1%でした。

■アジア・オセアニア地域は、中国経済の影響度が比較的大きいため、リート市場も一時大きく下落する局面もありました。しかし、リートの収益好調が確認されるにつれ、底堅い動きが戻りました。業態別では、いずれの市場でも商業施設の好調が目立ちました。

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【今後の展開】米国の緩やかな利上げの影響は限定的、増益・増配が下支え

■12月16日、米国は政策金利を9年半ぶりに引き上げました。国債利回りの上昇はリート価格の下押し要因ですが、景気拡大と物価上昇が緩やかとなる見通しから利上げは極めて緩やかなペースとなり、国債利回りの上昇も緩やかなものとなる見込みです。利上げのリート市場への影響は限定的となりそうです。

■原油価格の動向など市場が不安定化する要素も依然残っていますが、アジアの高い経済成長を背景として、増益・増配期待が比較的高いうえ、相対的な配当利回りの高さなどが引き続きアジア・オセアニアリート市場のサポート要因となることが期待されます。

 

(2015年12月22日) 

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