2016年の豪州経済の見通し~家計部門をけん引役に景気は緩やかに加速へ~
2016年の豪州経済の見通し~家計部門をけん引役に景気は緩やかに加速へ~
【ポイント1】足元の景気は底堅く推移
利下げ効果が表面化
■景気は底堅く推移しています。資源価格の下落により鉱業部門の設備投資は低迷していますが、利下げ効果と良好な雇用環境に支えられ、個人消費と住宅投資が拡大を続けているためです。
■中国経済の減速などから資源に対する需要は停滞しているものの、低コスト・高品位の豪州産資源に対する引き合いは根強く、輸出も上向いてきました。
■消費者物価上昇率は、足元まで豪州準備銀行(RBA)の物価目標である2%~3%の下限を下回る水準で推移しています。
【ポイント2】景気は緩やかに加速へ
家計部門が拡大をけん引
■企業の景況感が持ち直しつつあり、労働需要は増加基調にあります。低金利と良好な雇用・所得環境が、家計支出の増加を支える見込みです。
■企業景況感の回復を踏まえると、16年後半には非鉱業部門の設備投資も底入れする見通しです。
■16年の景気は、個人消費、住宅投資の拡大に加え、設備投資の立ち直りが見込まれるため、緩やかに加速すると予想されます。
【今後の展開】日豪の金利差などから見て、豪ドルは底堅い推移へ
■景気の拡大が緩やかなものにとどまることなどから、物価上昇率はRBAの目標範囲内で推移すると見られます。このため、RBAは来年いっぱい過去最低の政策金利(現行2%)を据え置く見込みです。
■一方、日銀は現行の量的・質的金融緩和を当面継続すると予想されます。
■日豪の金利差などから判断すると、豪ドルの対円レートは底堅く推移すると考えられます。
(2015年12月10日)
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