米国のISM製造業景況感指数(2015年11月)~景況感指数は低下したが、利上げへの影響は限定的~

米国のISM製造業景況感指数(2015年11月)

【ポイント1】総合指数は50割れ

生産、新規受注、在庫が悪化
■11月のISM製造業景況感指数は、総合指数が48.6ポイントとなりました。前月の50.1ポイントから低下し、好不況の分岐点となる50ポイントを割り込みました。総合指数の50ポイント割れは、2012年11月以来3年振りのことです。

■内容を見ると、総合指数を構成する5指数のうち、新規受注、生産、在庫指数が50を下回りました。他方、上昇したのは雇用と入荷遅延でした。

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【ポイント2】需要の鈍化を示唆

雇用指数は将来の需要回復を示唆
■新規受注、生産、在庫指数の低下は、需要の鈍化と、それに対応した在庫の削減を示すものです。国内の個人消費が堅調に推移していることを踏まえると、ドル高や中国経済の減速などによる輸出の伸び悩みが原因と考えられます。

■一方、雇用指数は50台を回復しました。企業が将来の需要回復を見据えて人員増強に乗り出したことを示唆するものです。

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【今後の展開】製造業は停滞だが、非製造業は好調、12月に利上げの見通し

■ISM指数から判断すると、製造業の生産活動は当面、横這いで推移すると予想されます。他方、良好な雇用・所得環境を背景に、サービス業は順調に推移しています。製造業の停滞はサービス業の好調が補い、米国経済は拡大を続ける見込みです。

■イエレンFRB議長は、最近の講演で米国経済には政策金利引き上げの条件が整っているとの認識を示しました。12月15日と16日に開催される次回のFOMCでは、景気、雇用の順調な拡大を背景に、利上げが実施される見通しです。

(2015年12月3日) 

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