インドの金融政策(2015年12月)~政策金利を据え置き、追加利下げ余地を探る姿勢~

インドの金融政策(2015年12月)~政策金利を据え置き、追加利下げ余地を探る姿勢~

【ポイント1】6.75%に据え置き

市場予想通りの決定
■インド準備銀行(RBI、中央銀行)は1日、政策金利(レポ金利)を6.75%に据え置くことを発表しました。

■RBIは、前回9月に市場予想を上回る0.50%の利下げを前倒しで実施しており、今回の市場予想は据え置きで一致していました。

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【ポイント2】利下げ余地を探る姿勢

食品や原油の価格などに注目
■RBIは前回の物価安定予想を維持し、利下げ余地ができれば、それを活用するとしました。追加利下げを含め金融緩和姿勢を明確にしました。声明文では注目点として食品価格、原油価格、インフレ期待、海外要因が挙げられており、これらが安定的に推移すれば、追加利下げが可能になると見られます。

■一方RBIは、過去の利下げが民間の貸出金利低下に十分結びついていないとし、銀行の貸出金利決定基準の策定や不良債権処理の加速などに取り組む姿勢を示しました。米国の利上げ開始が見込まれるなか、当面は現行の金利水準を維持しつつ、過去の利下げの効果浸透を図る方針です。

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【今後の展開】RBIの政策やモディノミクスによる景気回復ペースの加速に期待

■7-9月期の実質GDP成長率は、前年同期比+7.4%と前期の同+7.0%から加速しました。RBIは、景気は製造業を中心に回復の初期段階にあるものの、一部に引き続き弱さが見られるとしました。過去の利下げの効果浸透や追加利下げが実現すれば、景気の加速期待が強まると思われます。

■11月26日から12月23日の予定で国会が開催されており、遅れている物品・サービス税(GST)の審議などが注目されています。野党が与党インド人民党(BJP)に歩み寄るとの期待もあり、経済構造改革(モディノミクス)が進む場合には、RBIの政策とともに景気へのプラス材料となりそうです。

(2015年12月2日) 

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