ブラジルの金融政策(2015年11月)~政策金利据え置きも、今後の利上げの可能性高まる~

ブラジルの金融政策(2015年11月)

【ポイント1】3会合連続で金利据え置き

一部の委員は利上げを主張

■ブラジル中央銀行(以下、中銀)は25日、市場予想通り、政策金利を14.25%に据え置くことを発表しました。政策金利の据え置きは、9月、10月の会合に続き3会合連続です。

■ただし、全会一致の決定であった前2会合と異なり、8名の委員のうちの6名の賛成多数(2名は0.50%の利上げを主張)での決定となりました。

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【ポイント2】利上げ再開の可能性も

レアル安などから物価が上振れ
■電気料金の値上げやブラジルレアルのこれまでの下落などを受け、足元で物価上昇率や市場の物価予想が上振れしており、一部の委員が物価抑制には利上げが必要との見方に転じたと見られます。

■声明文では、前回の「物価を中銀の目標に近づけるため、現行の金利水準を十分に長い期間維持することが必要」との文言が削除されました。中銀は景気低迷のなかでも物価抑制を最優先とする姿勢であり、利上げの可能性が高まりました。次回の会合は、来年1月19日から20日に実施予定です。

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【今後の展開】物価の安定や景気持ち直しには時間がかかる見込み

■政府は財政再建を最優先課題として歳出の削減や増税を実施しており、景気低迷の一因になっています。また、電力会社への補助金を削減し、料金の引き上げを認めたことで物価の押し上げ要因になる例も見られます。ルセフ政権の経済政策には手詰まり感が強く、レアルの軟調な推移につながっています。

■政府は、投資適格級の国債格付けを維持する目的からも、緊縮財政を続ける方針です。中銀は、物価高是正に向けて高金利を維持し、利上げも辞さない姿勢です。物価が安定し、消費者心理の改善などから景気回復期待が高まるには、時間がかかりそうです。

(2015年11月26日) 

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