最近の指標から見る欧州経済(2015年11月)~追加金融緩和と財政拡大で緩やかな景気回復持続へ~

2015/11/25

最近の指標から見る欧州経済(2015年11月)

【ポイント1】景気は緩やかな回復持続

消費がけん引

■ユーロ圏の7-9月期の実質GDP成長率は前期比+0.3%と前四半期から鈍化したものの、緩やかな回復傾向が持続しています。

■ドイツ、フランス、イタリアの主要国がプラス成長で、雇用の改善から消費が底堅く、景気回復を主導しています。一方、輸出は、中国などの新興国経済の減速を受け減少し、設備投資も力強さに欠けています。

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【ポイント2】ドイツの企業景況感は改善

サービス部門も改善傾向
■製造業などから構成されるドイツのIfo企業景況感指数の11月分は、前月から改善しました。サービス部門の企業景況感も改善傾向にあり、これが良好な雇用環境の背景です。これらの改善はこれまでのユーロ安や金融緩和の効果と考えられます。

■10月のユーロ圏の消費者物価上昇率は、前年同月比+0.1%と低位で落ち着いています。原油安による物価の下落圧力は強く、欧州中央銀行(ECB)が目標とする2%近くへ上昇する動きは当面強まらないと見られます。

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【今後の展開】追加金融緩和と財政拡大で、緩やかな景気回復が持続へ

■新興国経済の減速などの景気下振れ圧力や低い物価上昇率から、12月にECBの追加緩和が予想されます。現行の量的緩和の規模拡大などにとどまらず、銀行の中央銀行に預ける預金金利のマイナス幅拡大も見込まれ、企業融資が拡大する効果が期待されます。

■一方、難民問題や地政学リスクが景気に悪影響を及ぼすことが懸念されます。難民流入規制、シリア空爆強化、パリ同時多発テロ、トルコによるロシア機撃墜と問題が拡大しました。追加緩和の他にも、中核ドイツの財政拡大などにより、景気回復を持続させる動きが期待されます。

(2015年11月25日) 

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