南アフリカの金融政策(2015年11月)~南アフリカ中銀、0.25%の利上げ~
南アフリカの金融政策(2015年11月)~南アフリカ中銀、0.25%の利上げ~
【ポイント1】今年合計0.5%の利上げ
4対2の多数決で決定
■南アフリカ準備銀行(中央銀行、以下中銀)は 19日、政策金利(レポ金利)を0.25%引き上げ、6.25%とすることを発表しました。7月に0.25%引き上げて以来2会合ぶりの利上げです。
■ブルームバーグ集計の事前予想では、エコノミスト26名中、据え置きが16名、0.25%の引き上げが10名でした。金融政策委員会では、委員6名中4名が利上げを、2名が据え置きを主張し、多数決での決定となりました。
【ポイント2】物価の上振れを警戒
小幅の利上げで景気にも配慮
■中銀は2016年の経済成長率や物価上昇率の見通しを引き下げましたが、コア消費者物価(食品・エネルギー等除く)の見通しを引き上げました。
■声明文によると、景気低迷で需要面からの物価上昇圧力が見られない一方、南ア・ランドの下落、干ばつによる農産物の不作、電力料金の引き上げなどが影響し、物価が予想から上振れするリスクはより高まったとしています。
■今回の決定では、予防的な利上げでインフレ期待を抑える一方、利上げ幅を小幅にとどめ景気にも配慮しました。
【今後の展開】追加利上げの可能性がランドを下支え
■中銀は、今回の利上げ後も金融政策はまだ緩和的であるとしています。ランド安が一段と進み物価が上振れるリスクが高まる場合などには、次回会合(来年1月26日から28日に開催予定)で小幅の利上げを追加する可能性が残ります。
■中国の景気減速懸念、商品価格の下落、米国の12月利上げ開始観測などから、ランドは不安定な動きが当面続く可能性があります。こうした状況に対し、中銀の追加利上げも辞さないとする姿勢は、ランドの下支えとなりそうです。
(2015年11月20日)
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