日本のGDP成長率(2015年7-9月期1次速報値）～2四半期連続マイナス成長だが民間在庫減が主因～
日本のGDP成長率(2015年7-9月期1次速報値）
【ポイント1】2四半期連続マイナス成長
消費は持ち直しも在庫減が響く
■内閣府は16日、7-9月期のGDP統計1次速報値を発表しました。実質GDP成長率は、前期比年率▲0.8％と2四半期連続でマイナス成長となりました。
■需要項目別の寄与度では個人消費が＋1.2％と前期のマイナス寄与から持ち直しました。ただ民間在庫品増加の寄与度が▲2.1％と大きく、これがGDP全体の伸びを押し下げる結果となりました。
【ポイント2】住宅や外需はプラス寄与
設備投資は依然として低調
■住宅投資の寄与度は＋0.2％と、低金利環境などが追い風となり、3四半期連続でプラス寄与となりました。これに対し設備投資の寄与度は▲0.7％と、企業の設備投資への意欲は依然として高まりませんでした。
■この結果、民間需要の寄与度は▲1.4％となりました。一方、公的需要の寄与度は政府最終消費支出の増加により＋0.2％となり、内需は▲1.2％の寄与度になりました。なお外需は輸出の伸びが輸入の伸びを上回り、寄与度は＋0.4％という結果でした。
【今後の展開】 株式市場への影響は限定的、10-12月期はプラス成長も
■株式市場については、3月期企業の7-9月期決算がほぼ終了していることや、政府の景気対策および日銀の追加緩和への期待も根強いことから、今回の結果の影響は限定的とみられます。
■7-9月期は個人消費の持ち直しと住宅投資の伸びの継続が確認されました。設備投資は低調ですが、在庫の減少で生産増加の可能性も見込まれ、10-12月期はプラス成長が期待されます。
（2015年11月16日）
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