主要国のリート市場の最近の動向(10月)~米利上げの織り込みが進み、底固い展開へ~
主要国のリート市場の最近の動向(10月)~米利上げの織り込みが進み、底固い展開へ~
【ポイント1】リスク回避後退で急反発
為替要因もプラス
■10月のグローバル・リート市場は、主要中央銀行の緩和的な金融政策がサポート要因となり、各市場とも堅調に推移し円ベースで+6.6%となりました。
■為替市場では、ECBが12月にも追加緩和策を示唆したユーロを除く通貨が対円で上昇しました。このため、為替要因はプラス寄与となりました。
【ポイント2】各市場とも上昇
欧州の堅調さが目立つ
■各地域を現地通貨ベースで見ると、 ECBの追加緩和観測が強まった欧州のリート市場が、相対的に大きく上昇しました。
■8月以降中国の景気減速懸念から大幅に下落したアジア、オセアニア市場も好調でした。中国人民銀行の追加金融緩和に加え、10月下旬に開催された中国の5中全会で政策期待が高まったことも支援材料となりました。
■北米市場は中旬までは好調でしたが、下旬に開催されたFOMCで利上げの可能性が高まったことから、月末にかけては若干下落しました。
【今後の展開】米国の利上げの織り込みが進む
■11月6日に公表された米国雇用統計が想定以上に堅調な結果となり、年内の利上げの可能性が高まりました。
■ただし、賃金上昇は抑制されており、利上げのペースは極めて緩やかなものと想定されます。このため、リート市場への影響は限定的と思われます。
■米国を除けば、世界的な金融緩和の方向に変化はなく、堅調な不動産市場にも支えられ、リートの配当は安定的な成長が続く見込みです。世界的に株価も回復傾向にあり、グローバル・リート市場は、相対的に高い配当利回りにも支えられ、中期的には底堅い展開となることが期待されます。
(2015年11月10日)
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