米国の債券市場(2015年11月)~利上げをめぐる思惑から国債利回りは上昇~

2015/11/09

米国の債券市場(2015年11月)~利上げをめぐる思惑から国債利回りは上昇~

【ポイント1】10月の国債利回りは上昇

年内利上げの観測が強まる
■10月前半は、9月の雇用統計やISM製造業指数といった低調な景気指標を受けて年内の利上げ観測が後退したため、米国10年債利回りは、約6ヵ月ぶりの低水準となる1.97%まで低下しました。

■しかしその後、7-9月期の企業決算がおおむね底堅いことを背景に株価が上昇したことや、27日~28日に開催されたFOMCの声明文を受け年内利上げの可能性が高まったことなどから、利回りは上昇しました。月末の利回りは2.14%(前月末比0.11%ポイント上昇)でした。

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【ポイント2】社債スプレッドは縮小

日米短期金利差も縮小
■米社債スプレッド(国債との利回り差)は縮小しました。株高などを受けて社債に対する需要が回復する一方、新発債の発行ペースが鈍化したためです。

■短期金利の動きをロンドン銀行間取引金利(LIBOR)で見ると、日米金利差は前月との比較で縮小となりました。

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【今後の展開】年内利上げの織り込みが進み、国債利回りは横這い圏での推移へ

■10月のISM指数は製造業が50近辺にとどまったのに対し、非製造業は59.1と60近くまで急上昇しました。製造業の不調を非製造業の好調が補い、景気が堅調に拡大していることを示唆するものです。

■良好な景気指標が年内の利上げ観測を強める一方で、物価の安定等から先行きの利上げペースは緩慢なものになるとの見方が金利上昇を抑え、債券利回りは横這い圏での推移となりそうです。

(2015年11月6日) 

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今日のマーケット・デイリー 米国の債券市場(2015年11月) 利上げをめぐる思惑から国債利回りは上昇

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