「5カ年計画」は中高速成長を維持(中国)
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10月26日~29日の日程で開催された5中全会(中国共産党中央委員会第5回全体会議)では、2016年から始まる「5カ年計画」が議題となり、草案が固まりました。経済成長率の低下が見込まれるなか、労働力の減少に歯止めをかけるため、「一人っ子政策」を廃止し、「中高速」の経済成長を維持するとしています。「中高速」にあたる成長率について正式発表はありませんが、年6%台後半と見られています。 |
【ポイント1】2020年までにGDPと所得を倍増(2010年比)
成長の減速はすでに顕在化
■GDPの倍増には、今年の成長率を7%程度として、2020年までの5年間に平均で6.5%程度の成長が必要です。7-9月期のGDP成長率は、前年同期比6.9%と6年半ぶりに7%を下回り、成長の減速がすでに顕在化しており、今後は急減速を避け、6%台後半へ「ソフトランディング」するよう舵取りが求められます。
■今回の「5カ年計画」では、「新常態」と呼ばれる構造改革を通じた安定成長路線が引き継がれました。目標とされる施策を見ると、消費主導、技術革新、産業高度化、環境保護、対外開放、貧困撲滅などのキーワードが並んでいます。
【ポイント2】「一人っ子政策」廃止
引き続き新シルクロードを推進
■「一人っ子政策」では、夫婦のうちどちらか一方が一人っ子の場合は第2子が認められており、すでに規制は緩和の方向にありますが、今後は、すべての夫婦に2人まで子をもつことが認められます。労働力人口の減少に歯止めをかけ、中長期的な成長力を維持する狙いがあります。
■施策のひとつに、新シルクロード「一帯一路」構想の具体化を推進することも掲げられました。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の資金により、国境を越えたインフラ投資が「5カ年計画」の間に大きく進むことになります。
【今後の展開】経済成長率の「ソフトランディング」には改革の実行がカギ
■改革の実行が経済成長の維持に必要
今後成長が急減速することなく「ソフトランディング」できるかは、国有企業改革、金融の自由化、対外開放といった痛みを伴う改革が着実に実行されるかがカギとみられます。
■12月の中央経済工作会議に注目
環境対策や規制緩和を進め、海外からの投資を呼び込むことも重要です。当面の景気減速に歯止めがかかるかを見るうえで、12月に予定される中央経済工作会議での方針が注目されます。
(2015年11月2日)
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