トルコの金融政策(2015年10月)~政策金利据え置き、利上げの可能性が後退~

2015/10/22

トルコの金融政策(2015年10月)~政策金利据え置き、利上げの可能性が後退~

【ポイント1】各種政策金利を据え置き

市場予想通りの決定
■トルコ中央銀行(以下、中銀)は21日、主要な政策金利である1週間物レポ金利を7.50%に据え置くと発表しました。金利誘導レンジについても、上限金利を10.75%に、下限金利を7.25%にそれぞれ据え置きました。

■各種政策金利の据え置きは3月の会合以来8会合連続で、市場予想通りの決定になりました。

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【ポイント2】物価見通し改善を待つ姿勢

利上げ可能性は後退
■9月の消費者物価指数は前年同月比+7.95%と中銀の物価目標(年+5.00%)を大きく上回っています。また、市場の1年後の予想は同+7.34%と高止りが続く見込みです。中銀はこれまでのトルコリラ安によりインフレ改善が遅れていると見ており、物価見通しが大きく改善するまで金融引き締め策を続ける現行方針を維持しました。 

■中銀は8月に、米国の利上げ開始時などに金融引き締め策を強化する方針を「ロードマップ」としてまとめました。9月会合の声明文には、これへの言及がありましたが、今回は削除されました。米国の利上げ見送りなどからトルコリラが持ち直していることを受けたものと見られます。

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【今後の展開】 スムーズな連立政権樹立がリラ安定の一因に

■総選挙の再実施(11月1日)では、6月の当初選挙と同様に与党公正発展党(AKP)の単独過半数獲得は困難な情勢です。AKPは、選挙を前に野党との連立の可能性を探り交渉を行っています。

■報道では、AKPに次ぐ議席数獲得が見込まれる共和人民党(CHP)が連立政権参加に前向きとされています。スムーズな連立政権樹立がリラ安定の一因になると期待されます。

(2015年10月22日) 

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