ISM指数の50割れを示唆する地区連銀製造業指数

2015/10/20

 ISM指数の50割れを示唆する地区連銀製造業指数

【ポイント1】低迷する地区連銀指数

需要関連の指標が低下
■フィラデルフィアおよびニューヨーク(NY)連銀が公表している10月の製造業指数は、好不況の分岐点であるゼロを下回り、▲4.5、▲11.4となりました。

■9月の▲6.0、▲14.7からは改善しましたが、内容は厳しく、需要の動向を示す新規受注、出荷指数のほか雇用関連の指数がマイナスとなりました。

■実際、ISM指数と同じ算出方式で両連銀の総合指数を計算すると、フィラデルフィアは9月の53.4から46.2、NYは同じく44.8から44.0に低下、ともに好不況の分岐点である50を下回りました。

20151019us1

【ポイント2】ISM指数50割れの公算

輸出の停滞が原因と考えられる
■フィラデルフィア、NY連銀指数は、米国北東部の製造業の業況を示すものですが、全米の状況を表すISM製造業指数とも高い相関関係を有しています。

■そこで、ISM方式で計算した連銀指数から10月のISM製造業指数を推計すると48.8となりました。2012年11月以来の50割れを示唆するものです。

■個人消費が堅調に推移していることを踏まえると、中国をはじめとする海外景気の鈍化と、それによる輸出の停滞が原因と考えられます。

20151019us2

【今後の展開】景気後退の可能性は低い

■製造業が厳格な在庫管理を行っていることから見て、仮にISM製造業景況感指数が50を割り込んだとしても、一時的なものにとどまり、景気後退に陥る公算は小さいと考えられます。

20151019us3

 (2015年10月19日) 

印刷用PDFはこちら→

今日のマーケット・デイリー ISM指数の50割れを示唆する地区連銀製造業指数

関連マーケットレポート

2015年10月14日 米国の債券市場(2015年10月)

2015年10月 5日 米国の雇用統計(2015年9月)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ