アジア・オセアニア株式市場の現状と見通し~米中の不透明要因払しょくにつれ、利益成長を織り込みへ~
アジア・オセアニア株式市場の現状と見通し
【ポイント1】足元で反発
米国の利上げ見送りがきっかけ
■アジア・オセアニア株式は、中国の景気減速や米国の利上げを巡る不透明感などから、今年4月ごろをピークに下落傾向にありました。足元では9月の米国の利上げ見送りをきっかけに反発し、底堅さが戻りつつあります。
■アジア・オセアニア企業の収益は、中国の景気減速などを背景に、下方修正が続きました。今後1年の利益成長は、緩やかな世界景気の拡大などから6%程度の増益が見込まれています。
【ポイント2】 年初来では、為替もマイナス
厚めの配当利回りが下支え
■今年のアジア・オセアニア株式の騰落率を円ベースでみると、株価、為替ともにマイナスの寄与となっています。昨年まで3年連続の上昇が調整局面入りです。一方、調整局面においても厚めの配当利回りは市場を下支えしています。
■株価の下落により、バリュエーション(株価評価)指標は、他の市場と比べても割安さを示すものが多く、今後の底堅い利益成長を前提にすれば、これ以上の下値は限定的と考えられます。
【今後の展開】中国、米国の不透明要因が薄らぎ徐々に底堅い展開へ
■足元では、米国の利上げを巡る不透明感が一旦は後退しています。利上げはあったとしても非常に緩やかなペースとなる見込みです。中国の景気は政策余地から大きな腰折れは回避されそうです。これらの不透明要因が薄らぐにつれ、アジア・オセアニア株式は利益成長を織り込む展開となる見込みです。
(2015年10月15日)
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