最近の指標から見る米国経済(2015年8月) ~家計部門を軸に景気は順調に拡大~
最近の指標から見る米国経済(2015年8月) ~家計部門を軸に景気は順調に拡大~
【ポイント1】実質GDP成長率は加速
消費の拡大が投資の不振を吸収
■2015年4-6月期の実質GDP成長率(速報値)は、前期比年率+2.3%となり、1-3月期の同+0.6%から加速しました。
■需要項目別にみると、個人消費は同+2.9%と前期の同+1.8%から伸び率が加速しました。サービス支出が堅調だったうえ、前期に伸び悩んだ耐久財および非耐久財が持ち直したためです。他方、企業の設備投資は同▲0.6%と、小幅ながらマイナス成長となりました。エネルギー価格の低迷から探鉱・開発投資が落ち込んだことが原因です。
【ポイント2】雇用者数は21.5万人増
ISM非製造業指数は続伸
■7月の非農業部門雇用者数は前月比21.5万人の増加、失業率は5.3%となりました。雇用者数は月平均20万人超の増加ペースを維持、失業率は米公開市場委員会(FOMC)メンバーによる2015年10-12月期の予想レンジ上限に達しました。
■一方、7月のISM景況感指数は製造業指数が前月比0.8ポイント低下の52.7ポイント、非製造業指数は同4.3ポイント上昇の60.3ポイントとなりました。製造業指数は低下しましたが、指数を構成する5指標のうち、需要の動向を示す新規受注指数など3指標が上昇しました。
【今後の展開】個人消費、住宅投資の拡大に加え、今後は設備投資も回復の見通し
■7月の小売売上高は前月比0.6%増でした。他方、6月の住宅着工件数は同9.8%増、同月の中古住宅販売件数は同3.2%増でした。雇用・所得の増加を背景に、家計部門の消費と住宅は堅調に推移しています。
■エネルギー価格が底入れしつつあることから、今後は探鉱・開発投資も最悪期を脱する見込みです。個人消費、住宅投資の拡大に、設備投資の立ち直りが加わるため、下期の実質GDP成長率は上期から上向く見込みです。
(2015年8月18日)
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