メキシコ中銀、9会合連続で政策金利を据え置き
メキシコ中銀、9会合連続で政策金利を据え置き
【ポイント1】過去最低の3.0%に据え置き
市場予想通りの決定
■メキシコ銀行(中央銀行、以下中銀)は30日、政策金利(翌日物銀行間レート)を市場の予想通り、3.0%に据え置くことを決定しました。
■現行の政策金利は過去最低水準であり、昨年6月の会合で3.5%から引き下げられた後、9会合連続での据え置きです。
【ポイント2】景気下振れを警戒
物価は安定推移を見込む
■7月前半の消費者物価指数は前年同月比+2.76%と、中銀の物価目標(年+3%)を下回っています。中銀は、年内の物価上昇率は当面目標を下回り、来年は目標近辺で推移するとの従来の見方を維持しました。また、メキシコペソ安による物価への影響は、一部にとどまり広がっていないとの見方を示しました。
■景気に関して中銀は、物価の落ち着きや雇用の改善から消費が持ち直しているものの、全体としては脆弱であり、下振れのリスクが強まっているとしました。
■中銀は、物価の安定と景気の下振れリスクを考慮し、政策金利を過去最低水準に据え置くことが適当と判断したと見られます。
【今後の展開】中銀は通貨安定策を強化しながら、低金利で景気を下支えする方針
■中銀は30日、米ドル売りペソ買いの為替介入の強化策を発表しました。足元では、米国の利上げ観測や中国株の不安定な動きなどから、ペソを含む新興国通貨が下落傾向にあります。こうした状況を勘案し、中銀は通貨安定策の強化に動いたと見られます。
■中銀は、米国の利上げが年内に開始されると見込んでおり、更なるペソ安が物価の押し上げにつながることも警戒しています。中銀は当面の間、通貨安定策を強化しながら、低金利政策を続けて景気を下支えする方針と見られます。
(2015年7月31日)
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