日銀は現行政策を維持、景気と物価の見通しを下方修正
日銀は現行政策を維持、景気と物価の見通しを下方修正
【ポイント1】 「量的・質的金融緩和」を維持
GDP成長率と物価の見通しを下方修正
■日銀は、14日~15日の金融政策決定会合で、現行の「量的・質的金融緩和」の維持を決定しました。
■「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」の中間評価では、4月の見通しと比べ、実質GDP成長率は、「2015年度について幾分下振れる一方、2016年度、2017年度については概ね不変」とし、消費者物価は、「概ね見通しに沿って推移する」との見解が示されました。
■景気の基調判断については、輸出や生産は「持ち直している」から「振れを伴いつつも、持ち直している」とややトーンダウンしましたが、全体としては、「緩やかな回復を続けている」との見方を維持しました。
【ポイント2】 株価への影響は限定的
米ドル円レートも小幅な値動きに
■15日の日経平均株価は、前日の欧米株高を受け続伸して始まり、その後は概ね小幅な値動きとなり、日銀の発表を受けての反応は限定的でした。終値は前日比+78.00円の20,463.33円でした。
■米ドル円レートも、123円台前半での小幅な値動きとなりました。日本時間の15時時点では123.45円となっています。
【今後の展開】 日銀は現行政策を当面維持、株価は企業収益拡大に沿った展開へ
■黒田日銀総裁は会見で、2015年度の経済成長率の下方修正について、一時的な輸出の鈍さによるものとし、先行きの見方には自信を示しました。また、2%の「物価安定の目標」の実現を目指し、これを安定的に持続するために必要な時点まで、「量的・質的金融緩和」を継続するという、これまでの方針を繰り返しました。
■日経平均株価は今月9日、一時19,100円近くまで下落しましたが、その後の中国株の反発やギリシャ支援の進展などが好感され、13日に2万円台を回復しました。ギリシャ情勢の先行きにまだ不透明感はあるものの、基調としては、企業収益の拡大に沿った展開が期待されます。
(2015年7月15日)
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