IMFの世界経済見通し(2015年7月)~2015年を下方修正、2016年を据え置き~

2015/07/14

IMFの世界経済見通し(2015年7月)~2015年を下方修正、2016年を据え置き~

【ポイント1】2016年に向け緩やかに加速

2015年の下方修正は一時的要因
■国際通貨基金(IMF)は9日、今年4月に発表した世界経済見通しを改定しました。2015年の世界全体の成長率を0.2%引き下げ3.3%とする一方、2016年は3.8%に据え置きました。
■IMFは、2015年の見通し引き下げの理由に、2015年1-3月期の米国経済の一時的停滞を挙げました。また、2016年に向けた世界経済の緩やかな成長見通しを維持しました。

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【ポイント2】ユーロ圏、ロシアを上方修正

日米、アセアン、伯を下方修正

■先進国・地域は、緩和的な金融環境や燃料価格の低下などが成長をけん引するとしました。米国は、労働市場の改善から2016年に向けて消費や投資が加速するとし、ユーロ圏は金融緩和の効果により内需が堅調で、2016年を小幅に上方修正しました。日本は、賃金上昇の勢いが弱まることから、2015年を小幅に下方修正しました。
■新興国・地域は、ロシアなどを上方修正し、新興国・地域全体は2016年に向けて緩やかに成長率が高まるとしました。一方、資源価格の下落や中国の構造改革などを理由に、アセアンやブラジル経済を下方修正し、中国やインドの見通しを据え置きました。

 

【今後の展開】先進国・地域のインフレ目標達成、新興国・地域の需要下支えを期待

■IMFは、世界経済のリスクは前回と同じく、若干下振れに傾いていると指摘しました。金融市場と資産価格の変動拡大や米ドルのさらなる上昇により、一部新興国の資金調達が困難となることを短期的なリスク要因としました。また、原油価格の一層の下落が消費拡大を通じ先進国経済を上振れさせる可能性も引き続き指摘しました。
■ギリシャ情勢はこれまでのところ大きな影響を世界経済に及ぼしておらず、時宜を得た政策措置がリスク管理に資するとしています。
■IMFは、先進国・地域では、緩和的な金融政策によるインフレ目標の達成、新興国・地域では財政政策の再調整などによる需要下支えが優先課題であり、その進展を期待しています。

 (2015年7月14日) 

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