主要国のリート市場の最近の動向(6月) ~ 国債利回り上昇とギリシャ不安が影響 ~
主要国のリート市場の最近の動向(6月) ~ 国債利回り上昇とギリシャ不安が影響 ~
【ポイント1】円ベースで4.8%の下落
リート市場、為替ともマイナス
■6月のグローバル・リート市場は、世界的な国債利回りの上昇、ギリシャ情勢の不透明感の強まりなどから、円ベースで▲4.8%と下落しました。
■為替市場では、円安のけん制と受け止められた日銀総裁発言が円高要因となり、ユーロとポンド以外の主要通貨が円に対し下落したことから、為替要因は全体でマイナスに寄与しました。
【ポイント2】全地域が下落
国債利回り上昇とギリシャ不安が影響
■米国市場は、住宅販売は堅調だったものの、雇用の改善を受け国債利回りが上昇したことに加え、ギリシャ情勢の不透明感が強まったことなどから、下落しました。
■欧州市場は、国債利回りが上昇したことやギリシャ情勢の先行き不透明感が強まったことなどから下落しました。為替要因はプラスに寄与し、現地通貨ベースの下落を一部埋めました。
■豪州市場は、豪州準備銀行(RBA)が政策金利を過去最低の水準に据え置いたものの、世界的な国債利回り上昇の影響を受け、豪州国債利回りも上昇したことなどから下落しました。
■シンガポール市場は、10年国債利回りが一時2.8%近くまで上昇し、2013年以来の高い水準となったことなどが嫌気されました。
【今後の展開】金融市場が落ち着くにつれ、底堅い展開へ
■5日に実施されたギリシャの国民投票で、欧州連合(EU)が提案した財政緊縮案への反対が多数となり、ギリシャ情勢は混迷を深めました。問題が収束するにはまだ時間を要しそうです。下落に歯止めがかからない中国株式市場の影響も懸念され、当面はリスク回避の動きが強まることも想定されます。
■ギリシャ問題については、債務の保有先が公的部門が多いことや金融安全網の整備などから深刻な金融危機に発展する可能性は低いと思われます。中国株については、政府・当局の株価対策などが徐々に効果を発揮すると考えられます。リート市場は、金融市場が落ち着くにつれ、底堅い展開となることが期待されます。
(2015年7月9日)
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