「法人企業統計」、設備投資が加速(日本)

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「法人企業統計」は、国内企業約2万2,000社(うち金融・保険業以外は約1万9,000社)の財務諸表を集計した統計です。四半期毎に実施される「季報調査」と、年に一度実施される「年報調査」があり、財務省が発表しています。この統計により、国内企業の売上高や利益の増減、バランスシート(貸借対照表)の現状、設備投資などを把握することが出来ます。

【ポイント1】設備投資は8四半期連続のプラス

GDPの民間設備投資は上方修正へ

■ 財務省は1日、2015年1-3月期の「法人企業統計」を発表しました。全産業(金融・保険業除く)の設備投資は前年同期比7.3%増と、前期の同2.8%増から伸びが加速し、8四半期連続のプラスとなりました。
■業種別では、製造業が同6.4%増、非製造業が同7.8%増とともに増加しました。製造業では、円安により国内生産を増強する国内回帰の動きが強まり、非製造業では、内需拡大に対応した新店舗などへの投資が動きだしたと見られます。
■今回の「法人企業統計」を受けて改定される1-3月期GDP統計の2次速報値では、民間設備投資は1次速報値の実質前期比0.4%増から上方修正される見込みです。

【ポイント2】経常利益は13四半期連続の増加

円安により輸出関連業種が好調
■ 全産業(金融・保険業除く)の経常利益は、前年同期比0.4%増となりました。比較する前年は消費税増税前の駆け込み需要があったため、今期の伸びは鈍化しましたが、13四半期連続の増加となり、2014年10-12月期に次ぐ過去2番目の利益水準となりました。
■消費税増税前の駆け込み需要の影響や原油安などにより卸売業・小売業、石油・石炭など経常利益が減少する業種も見られましたが、円安による輸出関連業種の採算改善が大きく、経常利益は全体で小幅に増加しました。

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【今後の展開】企業収益拡大が賃上げ、設備投資増につながり内需拡大へ

 ■企業収益の拡大基調は続く

日本企業の輸出は、円安などを受けて昨年9月以降プラス基調となっています。また、鉱工業生産も輸出増を背景に持ち直しています。為替相場や原油価格が現状から大きな変動がなければ、前年と比べた円安、原油安の効果が続き、全体として企業収益の拡大基調は続く見込みです。

■内需が景気回復を後押し

今年は昨年以上の賃上げが見込まれ個人消費に明るさが出てきました。企業収益の拡大がさらなる賃金上昇につながり、消費を押し上げる好循環の進展が期待されます。また設備投資の増加基調も強まっていることから、今年は内需の拡大が景気回復を後押しすることが期待されます。

(2015年6月2日)

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