最近の指標から見る欧州経済(2015年5月)~景気の緩やかな回復でデフレ懸念後退へ~

2015/05/26

最近の指標から見る欧州経済(2015年5月)~景気の緩やかな回復でデフレ懸念後退へ~

【ポイント1】 景気は緩やかに回復

フランス、イタリアもドイツに追随
■ユーロ圏の1-3月期の実質GDP成長率は前期比+0.4%と、緩やかに加速しました。フランスやイタリアなど、回復が遅れていた国も上向き始め、ユーロ圏全体で回復色が強まっています。

■ドイツは、前期比の伸び率は縮小したものの、輸出の回復が生産へ波及し、所得の増加から個人消費も堅調で、経済の好循環が強まっています。

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【ポイント2】 デフレ懸念は後退へ

経済の好循環が物価にも波及
■欧州の景気回復を先導するドイツでは、デフレ懸念が足元で後退しています。原油価格が落ちついてきたことやユーロ安により食料品価格が上昇していることが背景です。

■ドイツでは、堅調な消費を背景とした経済の好循環の影響が物価にも表れ始めており、ユーロ圏の物価も上向くことが持続する見込みです。

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【今後の展開】 金融緩和の継続により、景気の緩やかな改善継続底堅い増益基調が継続

■欧州景気の回復は、欧州中央銀行(ECB)の金融緩和の効果が徐々に表れ始めているためと見られます。ECBは、物価が目標とする2%近くに達することが見通せるまで、現在の国債購入プログラムを継続する方針であり、金融緩和が引き続き欧州経済を下支えしそうです。

■ただし、不透明感が高まるギリシャ問題やスペインでのユーロ離脱を掲げる政党の増勢などの欧州統合に向けた求心力への懸念要因、フランスやイタリアの財政健全化の進捗などには注意が必要と見られます。

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(2015年5月26日) 

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