「オミクロン」と米国株式市場 中期的な株価上昇期待は維持

2021/11/30

「オミクロン」と米国株式市場 中期的な株価上昇期待は維持

【ポイント1】「オミクロン」ショック
主要指数は年初来最大の下げ幅を記録

■先週末26日の米国株式市場は、南アフリカなどで見つかった新型コロナウイルスのオミクロン変異株(以下、オミクロン型)に対する懸念から大幅な下落となりました。S&P500種指数は前週末日比▲106.84ポイント、NYダウは同▲905.04ドルとそれぞれ今年最大の下げ幅を記録しました。

 

【ポイント2】再び大型グロース株に回帰か
長期金利の上昇抑制が手掛かり

■週明け29日の株式市場は、前週末の急落の反動から買い戻しが入り、一旦は落ち着きを取り戻しています。特にNASDAQ100指数は前週末比+2.3%と先週末の▲2.1%を埋めるなど、大型グロース株が総じて堅調でした。最近上昇していた実質金利も再び▲1%台に低下しました。オミクロン型に対する懸念は、長期金利の上昇を抑制する方向に作用しやすく、大型グロース株にとっては追い風となる可能性があります。

【今後の展開】中期的な株価上昇期待は持続

■米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は「オミクロン型の深刻さが判明するまでに2週間かかる」と述べています。今後、オミクロン型の感染力や重症化リスク等について明確な情報が得られるまで、米国株式市場はややリスクオフに傾いた流れが続くと思われます。

■ただ、バイデン大統領はオミクロン型に対してパニックになる必要はないとし、12月2日にこの冬の対新型コロナウイルス戦略を明らかにすると述べています。また、12月はメルク社の経口治療薬の供給が開始される可能性も高まります。今後、オミクロン型の感染拡大が見込まれますが、対処法が明確化すれば、金融市場の動揺は次第に落ち着き、中期的な株価上昇期待は維持されると考えられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2021年11月30日)

印刷用PDFはこちら↓

「オミクロン」と米国株式市場

関連マーケットレポート

2021年11月29日 先週のマーケットの振り返り(2021/11/22-11/26)

2021年11月18日 新型コロナ対策が変わる?ファイザーの『経口治療薬』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ