豪中銀は金融政策を据え置き 金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支え

2021/10/06

豪中銀は金融政策を据え置き

金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支え

【ポイント1】豪中銀は金融政策を据え置き
政策金利、国債買入れ額を維持

■豪州準備銀行(RBA)は10月5日の金融政策決定会合で、翌日物金利と2024年4月に償還される国債利回りの目標を0.1%に維持しました。

■国債買入れプログラムについても、これまで通り週40億豪ドルの買入れを行う方針が維持されています。

【ポイント2】テーパリングのペースは緩やか
金利も2024年まで据え置き継続へ

■声明文では、新型コロナウイルスのデルタ型の感染拡大を受けて、7-9月期の実質GDPが大幅に減少するとしています。こうしたことから、「実際のインフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで翌日物金利を引き上げない」、「2024年までにこうした状況になるとは予想していない」と、政策金利据え置きを続ける方針を改めて示しています。また、資産購入についても、少なくとも2022年2月中旬まで現行ペースを維持するとしています。

■一方、景気の落ち込みは一時的なもので、2022年の下期にはデルタ型感染拡大以前の経済軌道に戻るとしています。

【今後の展開】金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支え

■今回の決定を受けて10月5日の為替市場で豪ドルは米ドル、円に対して小動きとなりました。RBAによる金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルを下支えする一方、市場は資産買入れ縮小(テーパリング)のペースが緩やかな点も意識しています。

■デルタ型の感染拡大により都市部でロックダウンが繰り返されていますが、ワクチン接種が進展するとともにこうした行動制限も徐々に緩やかになると想定されます。金融政策の先行きにも大きく影響するため、今後も労働市場や物価に加え、感染動向や経済活動再開ペースなどにも注目が集まります。

(2021年10月6日)

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