豪州準備銀行は金融政策を据え置き 景気堅調で金融緩和から徐々に脱却へ
豪州準備銀行は金融政策を据え置き
【ポイント1】金融政策は据え置き
RBAは労働市場の回復を評価
■豪州準備銀行(RBA)は6月1日の金融政策決定会合で、翌日物金利と3年物国債利回りの目標を0.1%に維持し、国債購入プログラムも据え置きました。
■声明文では、「豪州の景気回復は以前の予想よりも強く、今後も続くと予想している」と回復を評価しています。また、「失業率の低下は予想以上」、「一部では労働力不足が報告されている」など、労働市場の強さにも言及しています。
【ポイント2】インフレ率の加速は緩やか
2024年まで金利据え置き継続へ
■一方、 「景気と雇用の力強い回復にもかかわらず、インフレと賃金の上昇圧力は抑えられている」としており、今後についても「物価と賃金の上昇が期待されるが、緩やかで小幅なものになる公算が大きい」と予想しています。
■こうしたことから、「実際のインフレ率が2~3%の目標範囲内に持続的に収まるまで翌日物金利を引き上げない」、「2024年までにこうした状況になるとは予想していない」と政策金利据え置きを続ける方針を改めて示しています。
【今後の展開】金融緩和からの脱却姿勢が豪ドルの支えに
■なお、7月の次回会合では、時間経過に伴って短期化している3年国債利回り目標の対象を、2024年4月償還国債から2024年11月償還国債に延長するかが議論されます。延長されなければ緩和縮小に備えた動きと市場に解釈されると考えられます。RBAは貸出プログラムについても予定通り6月中に終了させる方針を示しており、堅調な景気を受けて金融緩和からの慎重な脱却が視野に入っています。
■豪ドルはこのところ対ドルで一進一退の展開が続いています。しかし、金融緩和の縮小観測が生じれば豪ドルが他通貨に対して上昇する局面も想定されます。
(2021年6月2日)
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