米雇用統計は失業率が大幅改善、雇用者数も4カ月連続改善 米株式市場は景気回復を背景に反転を見込む

米雇用統計は失業率が大幅改善、雇用者数も4カ月連続改善

【ポイント1】失業率は8.4%へ大幅改善

米雇用者数は137万人増加

■米労働省が9月4日に発表した8月の雇用統計によれば、失業率は8.4%と前月の10.2%から1.8ポイント低下し、5カ月ぶりに10%を下回りました。市場予想(9.8%)を大きく上回る改善となりました。一方、非農業部門雇用者数は前月比137万人増と、事前の市場予想(135万人増)に沿った結果となり、前月の173万人増から更に鈍化したものの、4カ月連続の改善となりました。

■雇用者数の改善幅鈍化はやや気になりますが、雇用環境の改善を確認できる、まずまずの結果となりました。

【ポイント2】ここまで順調に回復するも、来月以降の改善幅に注目

■今回の雇用統計の結果から、3月、4月に失われた雇用の約48%が回復したこととなり、ここまでは雇用環境は順調に回復してきたと言えます。但し、今月も公的部門には国勢調査のための人員が含まれており、民間部門の改善幅は103万人とやや物足りない結果となっています。業種別にみると、小売業や専門ビジネスは順調に回復しましたが、余暇娯楽が先月から鈍化しており、建設業や製造業の改善も弱いままでした。

 

【今後の展開】足元、株式市場は下落も、景気回復を背景に、早晩反転を見込む

■4日のダウ工業株30種平均は、雇用統計を受け前日比48ドル高で寄り付きましたが、その後は前日の大幅下落の流れを継ぎ軟調に推移し、前日比159ドル安の2万8,133ドルで取引を終了しました。10年物国債利回りは0.08%上昇(価格は下落)し、円ドルレートはほぼ変わらずでした。

■米国株式市場は今月3日以降軟調に推移していますが、ここまでの株価上昇に対するスピード調整の可能性が高いと考えられます。米国経済は緩やかながら回復傾向にあり、金融・財政両面から強力なサポートが入っていることから、株式市場の下落は短期的な調整に留まり、次第に回復に向かうと考えられます。

(2020年9月7日)

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