インド株式市場は軟調(2020年5月)都市封鎖の再延長を嫌気、景気刺激策は期待に届かず

2020/05/22

インド株式市場は軟調(2020年5月)

【ポイント1】5月のSENSEX指数は軟調推移

■5月のインド株式市場は、インド政府が5月3日を期限としていた都市封鎖を17日まで再延長すると発表したことなどを嫌気して、月初から下落して始まり、軟調な展開が続きました。12日にモディ首相が発表した20兆ルピー規模の経済対策が好感される局面がありましたが、その後、経済対策の詳細が発表されると失望感が広がり、反落しました。政府が17日、都市封鎖を31日まで再度延長すると発表したことも投資家心理を冷やしました。代表的な株価指数のSENSEX指数は、4月末の33,717ポイントから下落基調が続き、18日には30,028ポイントと、約1カ月ぶりの安値をつけました。その後は小反発しています。

【ポイント2】インド政府は追加の経済刺激策を発表

■モディ首相は12日、名目GDPの10%に相当する、20兆ルピー規模の追加経済対策を打ち出すと表明しました。これを受け、インドの財務相は13日から、追加経済刺激策の内訳を発表しましたが、その多くの部分は信用枠供与で、追加の財政支出額は小規模にとどまりました。企業の資金繰りにはプラスとみられますが、経済成長への寄与は限定的になりそうです。

【今後の展開】新型コロナの新規感染者数ピークアウトが待たれる

■インド株式市場は、欧米や他のアジアの株式市場が経済再開への期待感から堅調に推移するなか、出遅れ感が強まっています。ただし、新型コロナ対策の都市封鎖の再延長による経済活動の停滞や、新規感染者増加から当面上値が重い展開が続きそうです。インドの経済成長見通しも感染拡大を受けて4月以降大きく下方修正されています。投資家心理が好転するには、新規感染者数のピークアウトが必要と思われます。

(2020年5月22日)

印刷用PDFはこちら↓

インド株式市場は軟調(2020年5月)都市封鎖の再延長を嫌気、景気刺激策は期待に届かず

関連マーケットレポート

2020年5月21日 アジア・トーク「コロナ抑制がアジア景気の先行きを左右」

2020年4月23日 インド株式市場は緩やかな上昇(2020年4月後半)

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ