米国株式市場~急速に織り込む期待成長率の低下 成長期待への信認が試される展開

2020/02/28

米国株式市場~急速に織り込む期待成長率の低下

【ポイント1】米国株式市場は大幅調整

NYダウの値下げ幅は過去最大

■2月27日の米国株式市場は、NYダウ工業株30種平均が前日比▲1,190.95米ドル、▲4.4%と大幅な値下がりとなりました。NYダウ工業株30種平均の値下げ幅は過去最大を記録しました。2月12日の史上最高値である2万9,551.42米ドルから▲3,784.78米ドル、▲12.8%の下落です。また、10年国債利回りは1.26%と引けベースで初の1.3%割れとなりました。

【ポイント2】急速に進む期待成長率の低下

米国株式市場はどの程度の成長率の低下を織り込んだのか

■足元の下落は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大から今後のグローバルサプライチェーンへの影響などが懸念され、企業業績に対する不透明感が高まったことが背景ですが、株価の勢い(モメンタム)を重視するファンドの売りが下落を加速した面もあります。

■今回の急落を受け、市場は米国の期待成長率の低下をどれぐらいと見ているかを試算しました。S&P500種指数の益回り(5.98%、予想株価収益率(16.72倍)の逆数)、10年国債利回り(1.26%)を基に試算すると、2月27日時点で、米国株式市場は期待成長率を0.98%と1%を小幅に割り込むところまで織り込んでいると試算されました。

【今後の展開】成長期待への信認が試される展開

■S&P500種採用企業の2020年の予想利益の伸び率は、20年1月1日時点で前年比+9.7%でした。2月27日時点は同+7.7%まで下方修正されており、短期的にはさらに下方修正されることになると思われます。

■一方、予想株価収益率は、24日の18.11倍から27日には16.72倍と、15年以降の平均水準まで一挙に修正が進みました。これまでの株価上昇が、低金利に頼りすぎてやや行き過ぎ感のあった点は否めず、ようやく割高ではない落ち着いた水準に回帰してきたと考えることもできます。

■COVID-19の影響などで業績の見通しは悪化するとみられます。しかし、米国株式市場の、トランプ大統領の政策対応に対する信認は厚く、米連邦準備制度理事会(FRB)の緩和的な金融政策の継続にも変化がないと思われます。成長期待の回復が確認されれば、米国株式市場は次第に堅調さを取り戻すと考えられます。

(2020年2月28日)

印刷用PDFはこちら↓

米国株式市場~急速に織り込む期待成長率の低下 成長期待への信認が試される展開

関連マーケットレポート

2020年2月18日 原油価格は新型肺炎の影響で下落(2020年2月)

2020年2月12日 米国株式市場~低金利と好業績を背景に最高値を更新

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会