『国内自動車』各社の再編が加速

2019/10/08

『国内自動車』各社の再編が加速

「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)は自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすといわれています。こうした中、独自色の強い車を投入してきた中堅の『国内自動車』各社が相次ぎ、トヨタ自動車との連携に乗り出しています。SUBARU(スバル)がトヨタの追加出資の受け入れを決めた他、スズキやマツダも同様に、トヨタとの次世代分野で連携を深めており、今後もこうした再編が続くとみられます。

【ポイント1】トヨタ自動車と『国内自動車』各社との再編が相次ぐ

■トヨタ自動車と『国内自動車』各社との再編が相次いでいます。スバルやスズキ、マツダは巨額の資金を要する次世代車の対応が課題となっていましたが、連携強化により課題克服を図ります。一方、トヨタにとっては連携の拡大は、米IT(情報技術)大手などとの連携やデータ収集、標準争いの武器になります。3社はトヨタと協力を深めるなかで、いかに独自のブランド力を維持していくかが課題になります。

【ポイント2】トヨタはスバル、スズキ等と資本提携

■トヨタは9月27日にスバルに追加出資すると発表しました。トヨタは出資比率を現状の約17%から20%まで引き上げ、同社を経営への影響力がより強い持ち分法適用会社にします。スバルも同額トヨタに出資します。スバルは「水平対向エンジン」やモータースポーツで蓄積した四輪駆動(4WD)技術などを組み合わせた力強い走行性能などを武器に独自色を維持してきましたが、課題である次世代車の開発へ対応するため、提携を強化しました。巨額の開発費を分担するほか異業種を含めた世界的な競争激化に備えます。

■トヨタとスズキは8月28日、資本提携すると発表しました。トヨタが960億円を出資しスズキ株の約5%に出資します。スズキもトヨタに0.2%程度出資します。スズキは軽自動車の開発と生産では優位性を持ち、インドの新車市場では高いシェアを握ります。一方、課題であった自動運転分野など次世代車の開発へ対応するため連携を強めます。長期的な関係構築が必要との考えから相互出資に踏みきりました。

【今後の展開】業界再編や業種間の垣根を超えた連携は加速の方向

■トヨタは「CASE」への対応のため、異業種のソフトバンクグループと新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携を結んだほか、デンソーなどグループの自動車部品企業の再編、そして今回『国内自動車』各社との連携強化に踏み出しました。こうした業界再編や業種間の垣根を超えた連携は更に加速する方向とみられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。

(2019年10月 8日)

印刷用PDFはこちら↓

『国内自動車』各社の再編が加速

関連マーケットレポート

2019年 9月 9日 『車載半導体』などで再編や新規参入が加速

2019年 8月 8日 中国での『HV』見直しはトヨタなど日本企業に追い風

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ