『国内自動車』各社の再編が加速
『国内自動車』各社の再編が加速
「CASE」(コネクテッド、自動運転、シェアリング、電動化)は自動車業界に100年に1度の大変革をもたらすといわれています。こうした中、独自色の強い車を投入してきた中堅の『国内自動車』各社が相次ぎ、トヨタ自動車との連携に乗り出しています。SUBARU(スバル)がトヨタの追加出資の受け入れを決めた他、スズキやマツダも同様に、トヨタとの次世代分野で連携を深めており、今後もこうした再編が続くとみられます。 |
【ポイント1】トヨタ自動車と『国内自動車』各社との再編が相次ぐ
■トヨタ自動車と『国内自動車』各社との再編が相次いでいます。スバルやスズキ、マツダは巨額の資金を要する次世代車の対応が課題となっていましたが、連携強化により課題克服を図ります。一方、トヨタにとっては連携の拡大は、米IT(情報技術)大手などとの連携やデータ収集、標準争いの武器になります。3社はトヨタと協力を深めるなかで、いかに独自のブランド力を維持していくかが課題になります。
■トヨタは9月27日にスバルに追加出資すると発表しました。トヨタは出資比率を現状の約17%から20%まで引き上げ、同社を経営への影響力がより強い持ち分法適用会社にします。スバルも同額トヨタに出資します。スバルは「水平対向エンジン」やモータースポーツで蓄積した四輪駆動(4WD)技術などを組み合わせた力強い走行性能などを武器に独自色を維持してきましたが、課題である次世代車の開発へ対応するため、提携を強化しました。巨額の開発費を分担するほか異業種を含めた世界的な競争激化に備えます。
■トヨタとスズキは8月28日、資本提携すると発表しました。トヨタが960億円を出資しスズキ株の約5%に出資します。スズキもトヨタに0.2%程度出資します。スズキは軽自動車の開発と生産では優位性を持ち、インドの新車市場では高いシェアを握ります。一方、課題であった自動運転分野など次世代車の開発へ対応するため連携を強めます。長期的な関係構築が必要との考えから相互出資に踏みきりました。
【今後の展開】業界再編や業種間の垣根を超えた連携は加速の方向
■トヨタは「CASE」への対応のため、異業種のソフトバンクグループと新しいモビリティサービスの構築に向けて戦略的提携を結んだほか、デンソーなどグループの自動車部品企業の再編、そして今回『国内自動車』各社との連携強化に踏み出しました。こうした業界再編や業種間の垣根を超えた連携は更に加速する方向とみられます。
※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
(2019年10月 8日)
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