豪州の金融政策:据え置きも必要なら追加利下げへ(2019年8月)豪ドルは米中貿易問題や利下げ期待の影響を受けよう
豪州の金融政策:据え置きも必要なら追加利下げへ(2019年8月)
【ポイント1】連続利下げ後の据え置き
■豪州準備銀行(RBA)は、8月6日に開催した金融政策決定会合で、市場予想どおり、政策金利を1.00%に据え置きました。6月、7月と2会合連続で利下げした後の据え置きとなりました。
【ポイント2】低金利の長期化を示唆
■RBAの声明文では、雇用の増加をサポートし、インフレが目標に到達する確信度を高めるため、低金利の長期化が必要となることが示唆されました。
■インフレ率の目標達成には想定より時間がかかるとし、2%に達するのは2021年になると予想されています。一方で低金利や減税、インフラ支出等が支えとなり経済は徐々に回復するとし、2019年は+2.5%、2020年には+2.75%近辺の成長を見込んでいます。
■今後については、引き続き労働市場を注視するとしたうえで、持続可能な成長とインフレ目標の達成のため必要ならば追加利下げを実施すると述べています。
【今後の展開】豪ドルは米中貿易問題や利下げ期待の影響を受けよう
■8月1日、トランプ米大統領は中国からの輸入品約3,000億ドルに対して9月1日から10%の追加関税を実施すると表明しました。これを受けて中国の景気減速懸念が強まり、中国を最大の貿易国とする豪州もその影響から足元の豪ドルが7月末に比べ対円で4%程度下落しました。
■米中貿易問題に対する先行き懸念が高まっており、今後の通商協議に関する報道等により豪ドルは一喜一憂する展開が見込まれます。また、RBAによる利下げ期待が根強く残っていることは豪ドルの上値を抑制すると考えられます。
(2019年08月06日)
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