インド株式市場は軟調な展開(2019年7月後半)外国人投資家は課税問題を嫌気
インド株式市場は軟調な展開(2019年7月後半)外国人投資家は課税問題を嫌気
【ポイント1】株式市場はジリ安の展開
■7月のインド株式市場は軟調な展開となっています。7月5日に発表された政府予算案はインフラ投資の規模などが市場の期待に届かなかったことに加え、インド政府が、上場企業の浮動株を10%増やすことや、富裕層や外国人の有価証券投資家に対する課税などの方針を発表したことが、株式市場の重石となりました。インドの代表的な株式指数のSENSEXは、月初に過去最高値圏にあったものの、予算案発表後は売りが優勢となりました。好業績を背景にIT銘柄が急伸し反発する局面もありましたが、その後じりじりと安値を切り下げています。SENSEX指数の7月のパフォーマンスを見ると、足元で全体では▲3%を超える下落となっていますが、IT銘柄が7%を超える上昇となるなど銘柄間格差が大きくなっています。
【ポイント2】外国人投資家は課税問題を嫌気
■インド政府が5日の予算案で発表した、外国人の有価証券投資家に対する課税方針などを受けて、外国人投資家からのインド株の売りが続いています。インド証券取引所によれば、外国人のインド株売り越しは予算案発表後の週明けの7月8日以降7月19日まで10営業日連続となり、合計で8億米ドルを超えました。相場が高値圏にあるだけに外国人投資家からの利食い売りは続く可能性があります。
【今後の展開】企業の決算発表に注目
■4-6月期の企業決算の発表がピークを迎えています。IT銘柄のように好業績で急騰するものがある一方、貸し出しの伸び鈍化などで急落する銀行株も出ており、決算動向が注目されます。ただ、4-6月期は景気が力強さを欠いていたため業績は伸び悩むとの見方が出ていました。7-9月期以降は、景気と共に業績も改善すると見込まれます。
(2019年7月23日)
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