6月『オフィスビル空室率』は低水準継続

2019/07/16

 

6月『オフィスビル空室率』は低水準継続

オフィスビル仲介大手の三鬼商事は、オフィスビルの空室率や平均賃料を毎月公表しています。2019年6月の東京都心5区の空室率は1.72%となり、月次データの残る2002年1月以降での最低を更新した5月対比では小幅上昇しましたが、依然極めて低水準にあります。平均賃料は上昇基調にあり、オフィスビル市況の需給は引き続き良好です。オフィスビル市場の品薄感は引き続きJ-REITの追い風になるとみられます。

【ポイント1】6月の都心5区の『オフィスビル空室率』は低水準維持

新築ビルは低下、既存ビルは上昇

■7月11日に公表された三鬼商事の都心5区(千代田、中央、港、新宿、渋谷)の2019年6月の『オフィスビル空室率』は、前月比+0.08ポイントの1.72%となりました。月次データの残る2002年1月以降での最低を更新した5月対比では上昇しましたが、依然極めて低水準にあります。

■新築ビルの空室率は同▲0.15ポイントの2.98%となった一方、既存ビルの空室率は同+0.10ポイントの1.69%となりました。

■新築ビルは、竣工1年未満のビルに成約の動きがあったことから、同空室率が低下しました。一方、既存ビルは、竣工予定ビルへの移転に伴う解約があったことや大型空室の募集が開始された影響などにより、同空室率が上昇しました。

【ポイント2】平均賃料は上昇が継続

66カ月連続の上昇190716MK

■2019年6月の都心5区の平均賃料は、前月比+0.57%の坪当たり2万1,518円でした。平均賃料は、66カ月連続で上昇が続いています。

■既存ビルの平均賃料は2万1,287円、同+0.69%となり上昇しましたが、新築ビルは3万1,017円、同▲1.24%となり下落しました。

【今後の展開】オフィスビルの需給ひっ迫がJ-REITの追い風に

■6月の『オフィスビル空室率』は前月比小幅に上昇しましたが、依然極めて低水準にあります。2019年に都心5区で竣工が予定されている大規模ビルについては、入居テナントがおおむね決定し、当面まとまった空室は発生しないと見込まれているなど、オフィスビルの需給のひっ迫は続くとみられます。

■旺盛なオフィスビル需要もあり、J-REIT市場は堅調に推移しています。国内REITの総合的な値動きを示す東証REIT指数は7月10日、2007年以来の高値を付けました。10年国債利回りがマイナス圏にあるなか、相対的に利回りが高いREITに投資家の注目が集まり国内外の資金が流入しています。好調な不動産市況、長期化する金融緩和政策などから、J-REIT市場は引き続き堅調な展開が見込まれます。

(2019年7月16日)

印刷用PDFはこちら↓

6月『オフィスビル空室率』は低水準継続

関連マーケットレポート

2019年07月10日 『街角景気』は横ばいで冴えない

2019年06月19日 5月『オフィスビル空室率』は低下が継続

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ