豪ドル為替相場は底堅い展開へ(2019年6月)利下げの景気刺激効果や政府の財政政策に期待
豪ドル為替相場は底堅い展開へ(2019年6月)
■2019年の豪ドルの対円相場は、4月に一時80円台を回復する局面もありましたが、その後は力強さに欠ける展開となっています。今回はその要因を確認していきます。
失業率は下げ止まり
■6月5日公表の2019年1-3月期実質GDP成長率は、前期比では+0.4%と前期の同+0.2%から加速したものの、前年同期比では+1.8%と前期の同+2.4%から減速しました。
■2019年5月の雇用者数は、短期の変動を均したトレンド値でみて前月差2.8万人の増加となり、伸びは前月からほぼ横ばいとなりました。失業率のトレンド値は5.1%とこちらも前月からほぼ横ばいとなりました。
総裁は追加利下げを示唆
■豪州準備銀行(RBA)は6月4日に利下げを行いましたが、その背景には低インフレに加え、景気の減速や失業率の下げ止まりがあったとみられます。
■ロウRBA総裁は4日の金融政策決定後の講演で「政策金利の低下を見込むのは不合理ではない」と発言し、今後の追加利下げの可能性を示唆しました。
■追加利下げの可能性があるものの、今後の豪ドルについては、これまで複数回の利下げを織り込みながら下落してきたことや、投機筋が大幅に売り越していることから、当面の下落余地は限定的と思われます。
■米中貿易摩擦の動向には要注意ですが、今後は利下げの景気刺激効果や、減税などの政府の財政政策が豪ドル為替相場を下支えすることが期待されます。
(2019年6月13日)
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