インドの金融政策:3会合連続の利下げ(2019年6月)RBIは金融政策の姿勢を「中立」から「緩和」に変更
インドの金融政策:3会合連続の利下げ(2019年6月)
政策金利は6.00%から5.75%へ
■インド準備銀行(RBI)は6月6日、金融政策決定会合において、市場予想どおり、政策金利を6.00%から5.75%へ引き下げました。利下げはこれで3会合連続となります。
【ポイント2】RBIは政策姿勢を「緩和」に
■RBIは声明文で「金融政策の姿勢を中立から緩和に変更することを決定した」と述べました。6人の金融政策委員全員が今回の利下げおよび緩和姿勢への変更に賛成しました。
■RBIは物価見通しの修正を小幅にとどめた一方、19年度(19年4月~20年3月)の経済成長率見通しを前年比+7.2%から+7.0%へ下方修正しました。内外需が減速しているとしたほか、今後、貿易摩擦の激化による世界的な需要の鈍化が、インドの輸出・投資にさらに影響する可能性があると述べました。
■RBIにとって、景気とインフレの関係では、景気下振れリスクがインフレ上振れリスクよりも深刻な問題だとみられることから、今後、景気回復の兆しがみられない場合には、追加利下げを行う可能性があります。
【今後の展開】RBIの緩和姿勢や政府の財政政策などが株式の支援材料に
■6日のインド株式市場では主要株価指数のSENSEXが下落しましたが、RBIの緩和姿勢への転換は今後の株式市場を下支えすると思われます。米中などの貿易摩擦の動向には注意を要しますが、モディ新政権が掲げているインフラ投資などの財政政策も相まって、インドの株式市場は今後も堅調に推移しそうです。
(2019年6月7日)
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