日銀は大規模緩和策を維持(2019年4月) フォワードガイダンスを修正、景気、物価見通しは下方修正
日銀は大規模緩和策を維持(2019年4月)
【ポイント1】フォワードガイダンスを修正
■日銀は25日、金融政策決定会合で、フォワードガイダンス(先行きの指針)を修正しました。文言に、「少なくとも2020年春頃まで」を追加し、「現在のきわめて低い長短金利の水準を維持する」として、金融緩和姿勢をより明確化しました。
■短期の政策金利を▲0.1%、長期金利である10年物国債利回りをゼロ%程度とする金融緩和策は維持しました。また、長期国債を買い増すペースを年間で約80兆円を目途とすること、ETFやリートの買入方針も据え置きました。
【ポイント2】物価見通しを一部引下げ
■日銀は「経済・物価情勢の展望(展望レポート)」で、消費者物価指数(除く生鮮食品)の上昇率見通しを19年度は1.1%と前回1月から据え置き、20年度は1.4%と、小幅に引き下げました。今回から発表された21年度は1.6%と、物価目標の2.0%を下回りました。
■景気については「緩やかに拡大している」との認識を示しましたが、成長率見通しは19年度0.8%、20年度0.9%と、前回1月からそれぞれ0.1%引き下げました。今回初めて示された21年度は1.2%としました。
【今後の展開】長短の政策金利は現状を維持
■景気と物価の見通しは引き下げられましたが、日銀に残された緩和のカードは少なく、また、一段の利下げは様々な副作用をもたらす懸念があるため、長短の政策金利については据え置きが継続されると見込まれます。ただ、日銀はフォワードガイダンスのなかで、「2020年春頃まで」の時期を更に長期化するなどにより、緩和姿勢の強化を示す可能性があります。
(2019年4月25日)
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