『MaaS』で国内企業の資本・業務提携が相次ぐ

2019/04/17

 

『MaaS』で国内企業の資本・業務提携が相次ぐ

次世代分野のモビリティサービス(『MaaS』)で、先行するグーグルや中国などの競合に対抗するため、国内で提携が広がっています。トヨタ自動車とソフトバンクの両社は新しいモビリティサービス構築に向けて「モネ・テクノロジーズ」を設立しましたが、ここにきて競合関係にあったホンダなども同社と資本・業務提携する動きが相次いでおり、今後の動向が注目されます。

【ポイント1】『MaaS』は現状ではグーグルなどの陣営や中国が先行

■『MaaS』は(Mobility as a Service)の略で、自動車などの移動手段を保有せず、必要なときだけ料金を払い利用するサービスの総称です。将来は自動運転車両を使った移動型の店舗や無人宅配など、モノの移動にも用途が広がるとみられています。現状では『MaaS』はグーグルなどの陣営や国家主導で開発が進む中国が先行していますが、これに対抗し国内企業の資本・業務提携の動きが活発化してきました。

【ポイント2】モネ・テクノロジーズに国内の88社が参加190418MK

■『MaaS』事業を展開するトヨタ自動車とソフトバンクの共同出資会社モネ・テクノロジーズは3月28日、次世代の移動サービスを開発するためのコンソーシアムを立ち上げたと発表しました。東日本旅客鉄道、三菱地所、ヤフーなど物流や不動産など多様な分野の計88社が参加しました。これにより、グーグルや中国に対抗できる日本企業連合を目指します。

■またホンダと日野自動車がそれぞれ約2億5千万円を出資し、モネ・テクノロジーズの株式の約10%を取得すると発表しました。出資会社は4社となります。ライバル関係にあり、ハイブリッド車(HV)や燃料電池車(FCV)など次世代技術で競ってきたトヨタ自動車とホンダの協業は異例で注目されます。走行や制御などの自動車の基幹技術では競争する一方、サービス開発では提携する戦略とみられます。

【今後の展開】『MaaS』の資本・業務提携の動きは今後も相次ぐ見通し

■『MaaS』事業を展開するにあたってトヨタ自動車が、今も大株主で関係の深いKDDIではなく、ソフトバンクと提携したことが注目されましたが、モネ・テクノロジーズには競合関係にあったホンダなど88社の国内企業が参加しました。同社は今後も企業の参加を呼び掛ける方針です。今後も『MaaS』の主導権確保を巡って従来の関係を超えた資本・業務提携の動きが相次ぐとみられます。

※個別銘柄に言及していますが、当該銘柄を推奨するものではありません。
(2019年4月18日)

印刷用PDFはこちら↓

『MaaS』で国内企業の資本・業務提携が相次ぐ

関連マーケットレポート

2019年03月20日 『再生医療』への民間企業の参入が相次ぐ

2019年02月25日 技術開発や法整備が進む『自動運転車』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

このページのトップへ