毎月勤労統計と春闘に見る『賃金』動向

2019/04/10

 

毎月勤労統計と春闘に見る『賃金』動向

日本経済は、昨年来の米中貿易摩擦の影響もあり、内閣府が先日発表した景気ウオッチャーで「このところ回復に弱さが見られる」と景気の基調判断をするなど、足もとでは足踏み状態となっています。こうした中、気になる私達の『賃金』はどうなっているのでしょうか?経済データや今年の春闘の集計状況を用いて、その動向を見ていきましょう。

【ポイント1】サンプルが入れ替えられた毎月勤労統計はマイナスに転じたが・・・

統計に継続性のある参考値では緩やかな増加が続いている

■4月5日に最新の毎月勤労統計(2月分速報)が発表されました。現金給与総額は、1月の確報値が前年同月比▲0.6%と速報値の同+1.2%から大幅に下方修正され、2月の速報値は同▲0.8%と2カ月連続のマイナスとなりました。2018年は前年比+1.4%とそれ以前よりも大幅な『賃金』の伸びとなっていたのと比べ、2019年に入りマイナスに転じた形となっています。ただし、これは2019年1月からサンプルが入れ替えられた影響が大きいと見られます。

■現金給与総額を統計に継続性のある参考値(共通事業所ベース)で見ると、1月は前年同月比+0.6%、2月は同+0.5%となっており、緩やかな増加傾向が続いていると見ることが出来そうです。

【ポイント2】今年の春闘では政府からの具体的なベア目標は無かったが・・・

昨年同期を上回る賃上げ状況、働き方改革にも前向き190411MK

■次に、今年の『賃金』動向を春闘で見てみます。4月5日に発表された日本労働組合総連合会(連合)の第3回回答集計では、平均賃金方式で回答を引き出した2,276組合の平均は前年比+2.15%の同+6,412円となりました。昨年同期を0.02%ポイント、150円上回っています。また、中小組合(300人未満)の平均は同+2.07%の同+5,232円と、こちらも昨年同期を上回っています。

■このほか、長時間労働の是正や同一労働同一賃金といった、いわゆる働き方改革の取り組みの多くの項目で前向きな回答が引き出された模様です。

【今後の展開】雇用の堅調さが維持され、『賃金』の緩やかな上昇が続く見込み

■2019年2月の有効求人倍率は1.63倍と1974年1月以来の高水準になるなど、幅広い分野で人手不足となっています。足元の日本経済は一時的に足踏み状態となっていますが、海外景気は持ち直しつつあり、年後半には回復していくと見られます。人手不足を背景とした雇用の底堅さも続くことで、『賃金』は緩やかな上昇が続くと見込まれます。

(2019年4月11日)

印刷用PDFはこちら↓

毎月勤労統計と春闘に見る『賃金』動向

関連マーケットレポート

2019年04月10日 『街角景気』は現状が2カ月ぶりに悪化

2019年02月07日 ベアに捉われない今年の『春闘』

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
三井住友DS マーケット・レポート   三井住友DSアセットマネジメント株式会社
世界の経済やマーケットの動向や、マーケットで注目される旬なキーワードを運用のプロがわかりやすく、丁寧に説明します。
■当資料は、情報提供を目的として、三井住友DSアセットマネジメントが作成したものです。特定の投資信託、生命保険、株式、債券等の売買を推奨・勧誘するものではありません。
■当資料に基づいて取られた投資行動の結果については、当社は責任を負いません。
■当資料の内容は作成基準日現在のものであり、将来予告なく変更されることがあります。
■当資料に市場環境等についてのデータ・分析等が含まれる場合、それらは過去の実績及び将来の予想であり、今後の市場環境等を保証するものではありません。
■当資料は当社が信頼性が高いと判断した情報等に基づき作成しておりますが、その正確性・完全性を保証するものではありません。
■当資料にインデックス・統計資料等が記載される場合、それらの知的所有権その他の一切の権利は、その発行者および許諾者に帰属します。
■当資料に掲載されている写真がある場合、写真はイメージであり、本文とは関係ない場合があります。

三井住友DSアセットマネジメント株式会社
金融商品取引業者 関東財務局長(金商)第399号
加入協会:一般社団法人投資信託協会、一般社団法人日本投資顧問業協会、一般社団法人第二種金融商品取引業協会

コラム&レポート Pick Up