日経平均株価のテクニカル分析

市川レポート(No.313)日経平均株価のテクニカル分析

  • トレンド系の移動平均線、一目均衡表、パラボリック・システムは、いずれも上昇トレンドを示唆。
  • オシレーター系に総じて強い過熱感はみられず、週足チャートも今後、上昇トレンドを示す可能性。
  • 目先16,900円付近への調整で上昇トレンド一服へ、上値目途はネックラインの17,600円付近。

トレンド系の移動平均線、一目均衡表、パラボリック・システムは、いずれも上昇トレンドを示唆

前回のレポートでは、テクニカル分析を使って短期的なドル円相場の方向性について考えました。今回は日経平均株価についてテクニカル分析を試みます。一般に、為替はキャッシュフローの裏付けがないため思惑に左右されやすく、テクニカル分析には適していると考えられます。一方、株式はキャッシュフローを生み出す企業の分析がより重要となりますが、相場の方向性をみる上ではテクニカル分析もある程度参考になると思われます。

トレンド系チャートの「移動平均線」、「一目均衡表」、「パラボリック・システム」をみると、いずれも上昇トレンドが示唆されています。移動平均線では、日足が21日線、90日線、200日線の上に位置し、21日線が200日線を上抜けています。一目均衡表では明確に三役好転が示され、パラボリック・システムでも日足がSAR(ストップ・アンド・リバース)の上に位置し、日足・SARとも緩やかに水準を切り上げる動きが確認できます。

オシレーター系に総じて強い過熱感はみられず、週足チャートも今後、上昇トレンドを示す可能性

オシレーター系の「RSI」、「ウィリアムズのR」、「MACD」などでは、一部反応の早いチャートで買われ過ぎが示唆されていますが、総じてみれば株価の上昇に強い過熱感はみられません。短期的な調整が入った場合の下値目途としては、一目均衡表の転換線(本日10月26日は17,059円付近)、21日移動平均線(同16,903円付近)が考えられますが、SAR(同16,941円付近)まで下げると、パラボリック・システムではトレンド転換となります。

ここまではチャートを日足でみてきましたが、週足でも検証してみます。移動平均線では、週足が52週線(先週は17,080円付近)を上抜けつつありますが、完全に上抜けた場合、より強い上昇トレンドが示唆されます(図表1)。また一目均衡表では週足が先行スパン1を上抜けつつありますが、この先、先行スパン2(年内は17,909円)を明確に上抜ければ三役好転となり、こちらも上昇トレンドがより強く示されることになります。

目先16,900円付近への調整で上昇トレンド一服へ、上値目途はネックラインの17,600円付近

日経平均株価の日足チャートは上昇トレンドを示唆しており、週足チャートも上昇トレンドを示唆する方向にあります。ただ相場に過熱感はないものの、前述の通り16,941円付近まで調整が入った場合、短期的には上昇トレンドが一服する可能性があるため注意が必要です。下値の目途として、200日線が位置する水準(本日10月26日は16,603円付近)は、比較的強いサポートになると考えられます。

最後にリバーサルパターンという手法で上値の目途を考えます。日経平均株価は2月12日安値14,865円77銭と6月24日安値14,864円01銭でダブルボトムをつけています(図表2)。ネックラインは4月25日高値17,613円56銭ですので、目先はこの水準が上値目途として意識されやすいと思われます。日経平均株価がネックラインを上抜けて上昇した場合、計算上の客観的な目標値は、20,361円35銭~20,363円11銭となります。

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 (2016年10月26日)

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