2026年1月日銀政策会合レビュー~利上げ時期の明確な手掛かりなし

2026/01/26

2026年1月日銀政策会合レビュー~利上げ時期の明確な手掛かりなし

    • 政策金利据え置きは予想通りだが高田委員1名が反対、展望レポートはややタカ派的な内容に。
    • 総裁会見で利上げ時期の明確な手掛かりなし、円安は注視、長期金利上昇に切迫の様子なし。
    • 市場で早期利上げの織り込みが徐々に進行、次の利上げ時期は今年7月との弊社予想は不変。

政策金利据え置きは予想通りだが高田委員1名が反対、展望レポートはややタカ派的な内容に

日銀は1月22日、23日に金融政策決定会合を開催し、弊社を含む大方の予想通り、無担保コール翌日物金利の誘導目標を現行の0.75%程度で据え置くことを決定しました。今回、政策委員会の委員9名のうち、8名が賛成票を投じた一方、高田創審議委員のみ、「物価安定の目標」はおおむね達成されており、海外経済が回復局面にあるもと、国内物価の上振れリスクが高いとして、誘導目標の1.00%程度への引き上げを求めて反対票を投じました。

同時に公表された展望レポートでは、実質GDPの見通しと消費者物価指数の見通しが総じて上方修正されるなど、ややタカ派的な内容となりました(図表1)。リスクバランスは、経済・物価いずれの見通しも、おおむね上下にバランスしているとし、2026年度の経済見通しは下振れリスクの方が大きいとの前回評価は修正されました。また、物価安定の目標の達成時期は、見通し期間後半との見方が維持されました。

総裁会見で利上げ時期の明確な手掛かりなし、円安は注視、長期金利上昇に切迫の様子なし

日銀の植田和男総裁は記者会見で、「経済・物価情勢の改善に応じて、引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整していく」と、従来の見解を繰り返し、利上げ路線を継続する意向を示しました。ただ、「先行きの金利パスや利上げペースは今後の情勢次第」、「物価と賃金がゆっくり上昇するなかで、それが続くかどうか多様な指標で判断していくべき時期」とし、利上げ時期の見通しについて明言は避けました。

また、植田総裁は円安について、基調的な物価に及ぼす影響を引き続き注意していきたいと述べるにとどまりました。長期金利については、「かなり速いスピードで上昇している」との見方を示し、「例外的な状況では機動的にオペなどを実施する」と発言した一方、「年度末要因で超長期債の需給が不安定化している」ことを指摘するなど、現時点で切迫した様子はうかがえませんでした。

市場で早期利上げの織り込みが徐々に進行、次の利上げ時期は今年7月との弊社予想は不変

なお、為替介入は財務大臣の権限において実施され、また、財務省の国債管理政策は、国債の確実かつ円滑な発行及び中長期的な調達コストの抑制を基本目標としています。そのため、急激な円安進行に対しては財務大臣の為替介入判断が、長期金利の上昇に対しては財務省の取り組みが、まずは必要となります。日銀は日銀法第4条に従い、通貨及び金融の調節が政府の方針と整合的となるよう、政府と意思疎通を図っていくことになります。

そのため、前述の円安や長期金利上昇に関する植田総裁の発言は、極めて妥当なものと思われます。今回の記者会見では、利上げ時期に関する明確な手掛かりは示されませんでしたが、市場では早期利上げの織り込みが少しずつ進んでいます(図表2)。弊社は円安進行による利上げ時期の前倒しに警戒しつつも、次の利上げ時期は2026年7月との見方を維持しています。

 

 

(2026年1月26日)

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