改めて考える「選挙は買い」のアノマリー

2026/01/15

改めて考える「選挙は買い」のアノマリー

  • 衆院選の投開票は2月8日との報道も、高市氏には長期安定政権を実現したい狙いがある模様。
  • 「選挙は買い」というアノマリー通り、日経平均株価は過去の解散総選挙で上昇するケースが多い。
  • ただ選挙が終われば株価は選挙以外の材料に左右されやすくなり今回は米中の動向にも要注意。

衆院選の投開票は2月8日との報道も、高市氏には長期安定政権を実現したい狙いがある模様

高市早苗首相は1月14日、首相官邸で自民党の鈴木俊一幹事長、日本維新の会の吉村洋文代表と会談し、23日召集の通常国会の冒頭に衆議院を解散する意向を伝えました。高市氏は19日に記者会見を開き、解散の時期や理由などについて説明する見通しで、複数のメディアが、衆議院選挙は「1月27日公示、2月8日投開票」の日程を軸に調整が進んでいると報じています。

仮に、1月23日解散、2月8日投開票の場合、解散から投開票までの期間は16日となり、2021年の岸田首相(当時)の戦後最短記録を1日更新することになります。早期解散により、2026年度予算や税制関連法の成立が4月以降にずれ込むなど、政治空白を招く恐れがありますが、短期決戦で与党の議席数を増やし、次の大型の国政選挙(2028年夏の参院選)まで長期安定政権を実現したい狙いが高市氏にはあるように思われます。

「選挙は買い」というアノマリー通り、日経平均株価は過去の解散総選挙で上昇するケースが多い

衆議院の解散総選挙が近づくと、株式市場では「選挙は買い」、すなわち「解散総選挙が行われると株価が上昇する」というアノマリー(理論的には説明のつかない経験則)が意識されやすくなります。そこで今回のレポートでは、過去に衆議院が解散して総選挙が行われた際、株価は実際に上昇したのか否か、日経平均株価のデータを用いて具体的に検証してみます。

検証方法は、1969年以降に行われた18回の解散総選挙について、解散前営業日の日経平均の終値を基準とし、総選挙前営業日の終値までの騰落率を計算します。結果は図表の通りで、2024年のケースを除いて日経平均はすべて上昇していることが分かります。前述の通り、これはアノマリーであるため、株高の理論的な説明は困難ですが、選挙公約などで示される経済政策への期待が、株価を支える面もあるように思われます。

ただ選挙が終われば株価は選挙以外の材料に左右されやすくなり今回は米中の動向にも要注意

しかしながら、選挙から半年経過後の日経平均をみると、上昇、下落まちまちの動きとなっており、与党が大きく勝利し、安定政権となった場合でも、日経平均の下落ケースが散見されます。そのため、過去の経緯を踏まえると、「選挙は買い」というアノマリーは存在するとみられるものの、株高の期間は比較的短く、2024年のように当てはまらないこともあり、選挙が終われば当然ながら、株価は選挙以外の材料に左右されると考えられます。

選挙後は、どの程度、与党の議席数が伸び、「危機管理投資」や「成長投資」の推進力が高まるかが焦点になると思われます。ただ、日本株に影響を与え得る海外の材料も多く、中国による対日輸出規制の行方、イランやグリーンランドなどに対するトランプ米大統領の言動、米連邦準備制度理事会(FRB)議長の後任人事、トランプ関税に対する米連邦最高裁判所の判断、人工知能(AI)関連企業の業績の行方などには引き続き注意が必要です。

 

 

 

 

(2026年1月15日)

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