自民党と日本維新の会が政策協議開始へ

2025/10/16

自民党と日本維新の会が政策協議開始へ

            • 自民党の高市総裁と日本維新の会の吉村代表が会談し、16日の政策協議の開始で合意した。
            • 仮に自民と維新の連立政権誕生となれば、両党の合計議席数は、衆参両院とも過半数に近づく。
            • 市場で高市首相誕生を織り込む動きもみられるが政治資金問題を含め政策協議の行方に注目。

    自民党の高市総裁と日本維新の会の吉村代表が会談し、16日の政策協議の開始で合意した

    自民党の高市早苗総裁と日本維新の会の吉村洋文代表は10月15日に国会内で会談し、首相指名選挙での協力や連立政権の構築に向け、16日に政策協議を開始することで合意しました。会談後、高市氏は記者団に「(維新と)基本政策はほぼ一致している」と強調し、吉村氏は首相指名選挙で高市氏に投票するかとの記者団の問いに、「政策協議の合意がまとまればそういうことになる」と語りました。

    一方、首相指名選挙で野党候補の一本化を模索する立憲民主党、日本維新の会、国民民主党も15日に党首会談を行いましたが、合意には至らず、幹事長や国会対策委員長による協議を続けることで一致しました。会談後、国民民主の玉木雄一郎代表は記者団に対し「歩み寄りがあったとは思うが依然として隔たりが大きい」と述べ、維新の藤田文武共同代表も歩み寄りがみられたとの認識を表明しました。

    仮に自民と維新の連立政権誕生となれば、両党の合計議席数は、衆参両院とも過半数に近づく

    維新は主要政策として、社会保険料を引き下げる制度改革と、首都機能の一部を移す副首都構想を掲げてきました。社会保障の制度改革については、これまで自民、公明、維新の3党で協議してきた経緯があり、副首都構想に関しても、高市氏は自民党総裁選の際に、国土強靭化対策として、首都の危機管理機能のバックアップ体制を構築する方針を公約に盛り込んでいました。

    このほかにも、維新の政策方針と高市氏の公約を比較すると、憲法改正や外国人政策などのテーマで親和性が高いことが確認されます(図表)。仮に、自民と維新の連立政権が誕生した場合、衆議院(定員465議席)の議席数は2党合計で231議席となり、過半数の233議席に迫ることになります。また、参議院(定員248議席)の議席数は120議席となり、こちらも過半数の125議席に近づきます。

    市場で高市首相誕生を織り込む動きもみられるが政治資金問題を含め政策協議の行方に注目

    市場では、高市氏が首相指名選挙で勝利する可能性が高まったとの指摘もあり、株高、円安、長期・超長期金利の上昇といった、いわゆる「高市トレード」の再開も予想されます。実際、本日の国内市場では、日経平均株価が寄り付きで48,000円台を回復し、10年国債は朝方、利回り上昇(価格は下落)の動きがみられるなど、高市首相誕生を早々に織り込む様子がうかがえます。

    ドル円については、円高方向に振れていますが、これは10月15日のベッセント米財務長官の発言(日銀が適切に金融政策を運営し続ければ、円相場も適正な水準に落ち着くだろう)を、市場が円安けん制と受け止めたことによるものとも考えられます。なお、自民と維新で大きな隔たりがあるのは政治資金問題であり、16日の政策協議でどのような結論に至るのか注目されます。

 

  • (2025年10月16日)
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